2005年2月8日(火)「しんぶん赤旗」

核不拡散条約 再検討会議まで3カ月

米、自国の責任棚上げ

“北朝鮮とイランは危険”


 【ワシントン=浜谷浩司】ラドメイカー米国務次官補(軍備管理担当)は三日、ワシントン市内で、三カ月後に迫った核不拡散条約(NPT)再検討会議に対するブッシュ米政権の考え方について講演しました。

 核兵器廃絶に向けた核保有国の責任は全面的に棚上げしながら、同会議を、核問題を抱える北朝鮮やイラン包囲の場とする姿勢を示しました。

 同次官補は、核軍縮への取り組みが「不十分」で具体的な措置を「講じていない」とか、「NPT条約第六条の義務を果たしていない」との声を「しばしば耳にする」と述べつつ、そうした米国への批判は「まったく根拠のないものだ」と強調。そんな議論自体が条約順守の問題からの「悲しむべき逸脱」であり、「世界各国の安全保障を脅かす」としています。

 同次官補は、核軍縮への取り組みを核保有国に求めた同条約第六条について、(1)核保有国と非核保有国の双方に「等しく」課せられている(2)交渉を求めたもので合意は求めていない(3)核軍拡競争の早期停止と核軍縮、全面的で完全な軍縮条約の三つの交渉を求めている(4)時間枠も期限も設けていない、と主張しました。

 さらに米ソ、米ロ間の軍備管理交渉をあげて、「第六条をいかに解釈しようとも、米国はその義務を全面的に順守している」と述べました。

 同次官補は、核保有国が核兵器廃絶を明確に約束した二〇〇〇年のNPT再検討会議の最終文書にはまったくふれず、無視しています。

 また、ブッシュ政権が力を入れる新型核兵器については研究中として、「いかなる新型核兵器も開発していない」と主張しました。

 小型核兵器の開発は通常兵器との境界をあいまいにし、「核の敷居」を引き下げるものだとの批判には、「すでに数十年にわたって小型核兵器を保有している」として、敷居を新たに引き下げることにはならないと主張して、新たな核兵器開発を正当化しました。



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