2005年2月4日(金)「しんぶん赤旗」

大阪労連 非正規労働者アンケート

正社員と同じ仕事なのに…

待遇違いすぎます

4276人分集約


 〇五国民春闘はいよいよ本番。全労連は、財界・日本経団連の賃下げ攻撃を許さず、すべての労働者の賃上げを実現しようと各地で運動を強めています。大阪では、大阪労連が「均等待遇めざす実態アンケート」をパートや派遣、契約社員などの非正規労働者を対象に実施し、春闘勝利へ役立てようとしています。


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「大阪府最低賃金炳万円の実現でみんなの賃金アップ!」と書いた横断幕を掲げて、宣伝する大阪春闘共闘・大阪労連の人たち=3日、大阪市

 「短期間に多くの仲間が回答を寄せてくれました。非正規労働者が置かれている深刻な実態が改めて浮き彫りになり、切実な要求があふれています」と大阪労連均等待遇推進本部の長岡佳代子事務局長はいいます。アンケートは、昨年十月から五週間余で四千二百七十六人分を集約しました。

 「正社員と同じ仕事をしていると思いますか」との問いに、「まったく同じ」と答えたのは11・6%で、「ほぼ同じ」37・4%を合わせると、約半数の労働者が「同じ」と答えています。これについて、正規労働者から非正規労働者への置き換えがすすみ、安上がりな労働力として非正規労働が拡大している、と分析しています。

 「今の仕事に満足していますか」の質問では、「満足」が24・1%で、「どちらともいえない」が46・6%、「不満」15・8%となっています。これについて、仕事の内容は満足でも賃金、雇用不安があり、「どちらともいえない」が多いのではとしています。

グラフ

グラフ

 雇用不安については、「常時ある」32・2%、「契約更新時にある」24・3%で、過半数の人が不安を持っています。

 同時に、「正社員と差別されていると感じるものは」の問いに、「休暇が自由にとれない」が21・8%とトップで、次いで、「休職制度」が20・6%、「仕事の情報」19・9%の順です。正規労働者並みの仕事であっても、会議や打ち合わせに参加させてもらえず、業務指示だけを受けているケースが多いことを示していると指摘します。

 「職場でどう呼ばれていますか」について、九割近くは「氏名」や「愛称」ですが、「パートさん」が3・2%あり、派遣労働者の6%が「派遣さん」と呼ばれていると回答。「人としての扱いが希薄である状況がうかがえる」といいます。

 「均等待遇を実現するために必要と考えることは」(三つまで)の質問では、「最低賃金の引き上げ」が47・1%とダントツで、「法律で差別を規制」「企業に期待」と続いています。

 回答を寄せた労働者の雇用形態は、パート56・9%、非常勤嘱託18・5%、アルバイト12・8%が上位を占め、契約社員は2・3%、派遣1・6%でした。三十歳代以上のアルバイトが55・3%と学生や若年労働者ではない使い捨て体制がすすんでいると強調します。

 「働いていて、腹の立つことや不安、うれしいことは」と自由に意見を記入する欄は、多くの声が寄せられています。

 ※雇い止めがすぐそこまで迫っているようで、毎日不安を抱えて仕事をしている。(四十代・非常勤嘱託・女性)

 ※何もかもアルバイトに任せきりが多く、職員が理解していない。休むことができない。(三十代・アルバイト・女性)

 ※往復の時間がいくらかかっても一円も時給が支払われない。どれだけ働いてもボーナスも支払われない。(四十代・パート・女性)

 ※体調不良の時に休めるようなシフトにしてほしい。(十代・アルバイト・男性)

 ※あまりにも忙しすぎて休みがとれない。仕事内容が厳しすぎる。(十代・アルバイト・女性)

 ※内職もしている。今の賃金では生活が苦しい。(四十代・アルバイト・女性)

 ※情報や会議に参加できないため知らないことが多い。教育や研修も受けたいのにまったくない。(五十代・非常勤嘱託・女性)

 ※サービス残業(ただ働き)は慣例的に行われている。(四十代、アルバイト・女性)



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