2005年2月3日(木)「しんぶん赤旗」

「介護保険料高い」 高齢者の7割

特養ホーム

待機1年以上が7割超える

渋谷社保協が400人調査


年金生活者“年間14万はかなりの負担”

 「介護保険料とサービス利用料で一万二千円を超えます。年金生活者にとって年間十四万円を超える額はかなり負担」―。政府が介護保険改悪法案の国会提出を準備している中、東京・渋谷区の渋谷社会保障推進協議会が約四百人の高齢者を対象に実施した「介護保険実態調査アンケート」に切実な声が寄せられました。介護保険料を重い負担と感じている高齢者が七割にのぼりました。


 調査は同社保協に加盟する十団体の構成員のべ二百五十人が昨年十月から十二月、区内の高齢者四百四十一人に聞き取り調査したもの。

 介護を受けている本人の収入は月十二万円以下が約六割(回答した二百十八人中)。利用しているサービスは、厚労省が「生活機能を低下させる家事代行型」として見直しの対象にあげている家事(生活)援助型の訪問介護が、百二人でトップ(複数回答あり)でした。利用回数は月五回未満が四十人と一番多く、サービスの利用を控えている傾向が分かります。

 特養ホームなど施設への入所を希望して待機している期間は、一年以上が約七割に上りました。

 「今後の介護保障に望むこと」の一位は「保険料減免制度」で百六十九人(複数回答)。二位は「利用料減免制度」で百二十七人(同)にのぼりました。

 一日開かれた結果報告集会には約八十人が参加。調査員の一人の田中英子さん(56)は「近くの特養ホームに入るには十年待ちの現状や、重い負担でサービスを控えていることが分かりました。負担増など政府の進める介護保険の見直しでは、いよいよ安心して介護が受けられなくなります」と語りました。

 同社保協の福井典子会長は、「調査に参加した人が高齢者の置かれている実態と介護保険の問題、改善の必要性を自分の問題ととらえられたことに運動として大きな意義があると思います。保険料・利用料の負担の重さ、減免制度の要求の切実さも浮き彫りになりました。調査結果を五万枚のビラで区民に報告するとともに、国や行政に訴えていきたい」と語っています。


自由記入欄への回答から

 ●要介護認定を受けているのに介護サービスを利用していない理由

 一割負担があるから(要介護2、71歳男性)

 生活がぎりぎりなので料金が払えない(75歳女性)

 利用できるだけの収入がない(要介護2、84歳男性)

 ●介護サービスで困っていることや要望

 ショートステイがとりにくい。母娘二人暮らしなので急用のとき困る。日帰り、一泊がいつでも対応できるように。一割負担が二―三割負担になると困る(要介護5、80歳女性)

 入院するととたんにヘルパーさんが切られる。一人暮らしなので入院中の留守宅の管理や、家から病院への届け物(衣類、洗濯)をしてくれる人がいなくなるのが困る(要介護2、89歳女性)

 お風呂の回数を増やしたい。ヘルパーの時間を延ばしてほしい。一・五時間では通院の付き添い、散歩、買い物で終わる(要介護1、68歳女性)



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