2005年2月1日(火)「しんぶん赤旗」

名水・景観訴訟が和解

原告の訴えほぼ認める

東京・国分寺


 湧水(ゆうすい)群と自然環境、歴史的景観を破壊するマンション建設の差し止めと原状回復を求めた、東京・国分寺の名水と歴史景観を守る訴訟の和解が三十一日、成立しました。原告団(今井堯団長)は、同日夕の記者会見で、和解内容は原告側の訴えがほぼ認められたとする声明を発表しました。

 裁判は、国分寺市西元町に建設されたマンションが、環境省の名水百選に選ばれた真姿(ますがた)湧水群や国指定史跡の武蔵国分寺跡周辺の歴史的景観、自然環境を破壊するものだと住民が提訴。東京地裁で審理、結審後に貝阿彌(かいあみ)誠裁判長が和解を勧告。原告、被告双方が受け入れました。

 和解条項は、原告と被告は、マンション建設周辺の湧水群、歴史的景観、自然環境が適切に保全されるべきであるとの共通認識から和解したと表明。(1)被告側(トヨタ自動車、トヨタホーム、オリックス、大京など五社)は国分寺市に保全基金として五百万円を寄付する(2)被告側はマンションに設置された地下水の観測井戸で地下水位、水質の調査を行う(3)マンション近辺に湧水群と武蔵国分寺遺跡の存在と意義を知らせる掲示板を設置する、としています。

 和解成立後、今井堯原告団長、原告弁護団の中杉喜代司弁護士らは記者会見。(1)マンション建設予定地の一部を国指定史跡に追加指定し、公有地化できた(2)訴訟を通して国分寺市の「まちづくり条例」に湧水、景観保全のため、周辺の新建築物の高さを十五メートル以下とし、基礎工事を事前チェックすることが盛り込まれた、とする運動と訴訟の成果を示しました。



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