2005年1月30日(日)「しんぶん赤旗」

陸自イラク作戦

日本国民対象に「情報戦」

NHK番組 旧日本軍の中国占領「教訓」


 イラクに派兵された陸上自衛隊の部隊が、旧日本軍による中国侵略での占領統治を「教訓」としたり、日本国民を対象に世論誘導などの「情報戦」を展開していたことがわかりました。二十九日放映のNHK番組「陸上自衛隊・イラク派遣の一年」が報じました。

 番組によると、イラク派兵作戦の教訓をまとめる陸上自衛隊の研究本部が、イラク作戦の参考として旧日本軍の中国侵略時の戦史(北支那治安粛正計画)に注目。中国人の心をつかむために金や物を提供する「民心収攬(しゅうらん)」や、占領地域の人心安定のための「宣撫(せんぶ)」、職を与えるなどの「帰順(きじゅん)工作」を参考にしたとしました。同研究本部の山口昇総合研究部長は、「(旧軍にも)いいところも、悪いところもいっぱいあった」と正当化しました。

 また、番組ではイラク作戦のための「情報戦」の対象に「日本国民」をあげている文書を紹介。研究本部の研究員は、イラク派兵を前にした陸自第四次隊に対する講義で、「日本国民の支持獲得」について「実態としては、まさに情報戦であり、まさに実施中のオペレーション(作戦)であるということだ」と指摘。「世論、民意については、作戦行動の基盤となるとともに、作戦の評価そのものを左右、決定する重要な要因となり、世論、民意の獲得とその誘導が必要となる」と強調しました。

 これは陸自が、イラク派兵を支持するよう日本国民の世論「誘導」を作戦の一環と位置付けていることを示しています。



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