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2005年1月27日(木)「しんぶん赤旗」 戦争犯罪を忘れない仏大統領、次代へ継承訴え“歴史否定は真実への罪”【パリ=浅田信幸】フランスのシラク大統領は二十五日、パリ中心部マレー地区のショア(ユダヤ人絶滅)記念館開所式で、ナチスの戦争犯罪を否定する「歴史否定主義」を「真実に対する犯罪」だと言明しました。 同大統領は、かつて科学が人種差別を合理化するために変質させられた事実に触れ、「科学が歴史否定主義を正当化するために道をはずれること、すなわち真実に対する犯罪を犯すことを容認しない」、歴史を否定する者は「法によって厳しく追及され、断罪される」と述べました。 また「記憶することは、伝えることでもある」「常に歴史は語られなければならない。その連鎖を断ち切ってはならない」とも強調。さらにユダヤ人迫害の歴史について「子どもたちが見、理解し、忘れない」よう、全国の教員に生徒を引率して記念館を見学することを呼びかけました。 フランスでは今年初め、極右政党の党首がナチスの仏占領支配を「格別非人道的でなかった」などと発言し、世論から厳しい批判を浴びました。シラク大統領の演説は、歴史の風化を許さない決意を明らかにし、歴史教育の重要性を指摘したものです。 シラク氏はまた、フランスを占領したナチス・ドイツ軍がユダヤ人「狩り」作戦を展開したさい、それが「フランス人とフランス国家によって補佐されたことを忘れない。フランスはみずからの責任を認める義務を負っている」と、国家として犠牲者への謝罪と反省を明らかにしました。 ショア記念館は、五千平方メートルの敷地をもち、ユダヤ人虐殺の歴史に関する文献・資料百万点、写真五万五千枚を集めた欧州最大規模の展示資料館です。アウシュビッツ収容所解放記念日の二十七日から一般公開されます。 同館の開所式に先立つ二十三日には、第二次大戦中フランスからナチスの強制収容所に移送されたユダヤ人七万六千人の名前を刻んだ壁の除幕式が行われています。 |

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