2005年1月26日(水)「しんぶん赤旗」

7兆円の国民負担増
 経済のかじ取り誤る

九条改憲 世界で足場失う

穀田国対委員長が小泉首相を追及

衆院本会議


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代表質問にたつ穀田恵二国対委員長。後方は小泉首相=25日、衆院本会議

 日本共産党の穀田恵二国対委員長は二十五日、衆院本会議で代表質問に立ち、国民に対する大負担増計画や改憲問題など五つの焦点課題で小泉首相を追及。小泉・自公政権が狙う国民負担増と消費税増税は「国民の暮らしを破壊するだけでなく、日本経済のかじ取りを根本的に誤るものだ」と厳しく批判しました。

首相 「経済回復」と甘い見通し

 政府の計画は、定率減税の縮小・廃止、年金保険料、介護保険料・利用料、雇用保険料の値上げなどの全体で、二〇〇五―〇六年の二年間で七兆円もの負担増を押しつけるもの。穀田氏は(1)景気と財政が悪化(2)巨大開発の浪費は改めない(3)大企業・高額所得者への減税は続ける―という三つの角度から追及しました。

 首相は、「わが国経済は、民需中心の回復を続けている。引き続き緩やかな回復を続けると見込んでいる」という甘い経済見通しを示したうえ、定率減税の廃止・縮小について「景気に対する影響は大きなものではない」とのべました。

 郵政民営化について穀田氏は、「国民がいちばん心配しているのは身近なサービスがどうなるかだ」と指摘。小泉首相が明らかにした四分社化構想で、郵貯、簡保会社には「全国一律サービス」が義務づけられていないことをあげ、地方や過疎地からその窓口である郵便局が消えてなくなると追及。郵便事業でも営利第一の民間事業者に全国一律サービスができるのかと迫りました。首相は「過疎地の拠点維持に配慮することとしている」と答えました。

 穀田氏は、自衛隊を、米軍の戦争に地球規模で参戦する、本格的な海外派兵のための軍隊に根本的に変えようとする政府の動きを告発。この自衛隊の任務の大転換と連動した九条改憲について、「戦後日本の原点である『不戦の誓い』にそむき、アジアの共有財産を投げすてるもので、日本がアジアの一員として、世界の中で生きていく足場を失う」と政府の姿勢をただしました。

 首相は、自民党の改憲草案づくりのスケジュールをのべ、「新しい時代における憲法のあり方について大いに国民的な議論を」と答弁、自民、公明、民主による改憲の動きを促す立場を表明しました。


質問のポイント

災害対策

 「住宅再建なくして生活再建なし」。いまこそ住宅本体の再建にたいする公的支援――「個人補償」に踏み込むべきだ

国民への大負担増計画

 2005―06年度の7兆円負担増の見直しと中止を要求。これに続く消費税増税は、国民の暮らしを破壊するだけでなく、日本経済のかじ取りを根本的に誤る

郵政民営化

 国民の財産である郵便局ネットワークの破壊は許されない

NHK番組への政治介入事件

 安倍官房副長官(当時)らの行為は、憲法が禁止する事実上の事前検閲であり、放送法違反は明白ではないか。介入したのは、当時の官房副長官と現職閣僚。真相を明らかにすることは、総理の責任だ

政治とカネ

 日歯連による橋本元首相への1億円献金問題で、関係者の証人喚問を。「清和会」の政治資金収支報告書への虚偽記載疑惑も浮上している。一連の疑惑を調査し、明らかにすることは総理・総裁の責任。企業・団体献金は全面禁止に

外交・安保、日本の進路

 イラクからの自衛隊撤退の決断を。戦闘が継続する海外での活動を、自衛隊の「本来任務」にすることが、憲法上許されるのか。改憲は、海外で米軍と一体となって「戦争できる国」にしようというもの。憲法9条は「アジア共有の財産」。アジアと世界の平和の流れに合流し、9条を守り生かすため、全力を尽くす




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