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2005年1月12日(水)「しんぶん赤旗」 首都地震都心部の救援に支障シンポで警鐘 “木造密集地で火災”巨大地震が首都を襲ったとき何がおこるか、備えはできているか―などをテーマに東京都内で十一日、防災専門家らによるシンポジウムが開かれました。 「JR山手線の外側から環状7号線にかけてのドーナツ状の木造密集地の火災延焼で都心の都民が閉じ込められ救援ができない」と警鐘を鳴らしました。 同シンポは、阪神・淡路大震災十周年の行事として、日本地震工学会、日本地震学会など七団体が主催したもの。差し迫る首都圏直下型地震対策と、巨大地震の再来期となる二十一世紀前半の日本列島の災害対策のありかたを考えようと企画されました。 中村正彦・東京都危機管理監は、東京都が実施した首都直下型地震の被害想定や緊急時体制を説明。ドーナツ状の木造住宅密集地域で古く耐力の低い住宅が倒壊・出火・延焼すると、内側の都民や帰宅困難者が閉じ込められ救援にも支障が出ることを指摘。新潟県中越地震で山間部の山古志村などが孤立した苦い教訓からも、木造密集地域での住宅の震災対策がきわめて重要になっていることが明らかになりました。 阪神・淡路大震災を体験した作家の藤本義一さんは「震災に人間再発見」と題して講演。無防備のまま地震に襲われることの危険と被災後、助け合い励ましあうことの大切さを訴えました。 「首都圏直下地震にたいする備え」をテーマにしたパネル討論では、中村管理監はじめ、纐纈(こうけつ)一起・東京大学教授、林康裕・京都大学教授、室崎益輝・消防研究所理事長、目黒公郎・東京大学教授をパネリストに、参加者を交えて討論しました。 室崎氏は、阪神・淡路大震災の教訓として火災対策の重要性を強調。コンクリート耐火構造物も壁や窓が壊れてかまどのようになって延焼火災すると指摘しました。出火件数を少なくすることが大きな課題で、消防力の強化も必要だと訴えました。さらに、政府の消防研究所廃止方針に疑問を投げかけました。 |

学習・党活動版編集部の紹介ビデオ

