|
2005年1月11日(火)「しんぶん赤旗」 富士山測候所装置故障で綱渡り観測2台中1台 無人化で6月まで修理不能昨年十月一日から職員の常駐観測をやめた気象庁の富士山測候所で、自動気象観測装置一台が約二カ月間にわたって観測データを送信できないトラブルがおこっていることが十日までにわかりました。台風監視や気象予報に重要な役割を担い七十年余にわたって山頂で継続してきた気象観測が、途絶する恐れもでています。 富士山測候所は、自動観測装置二台の二重システムで気温・湿度・気圧を測定。観測データを衛星回線で気象庁に送信してきました。ところが、昨年十一月十二日に一台から気温・湿度・気圧のデータの送信がストップし、新年に入っても回復していないといいます。 気象庁観測部管理課は「正副ある二重システムのうちの一台から電波がでなくなっている。当日は静岡で大雨と雷があったので、落雷による障害の可能性がある。いまのところ観測に大きな影響はない」と説明します。 現在は、バックアップの一台が正常に作動しているものの、綱渡りの状態がつづいています。故障した機器の修理は、今年六月に職員がメンテナンスのために登頂するまで不可能。昨年秋まで職員が常駐していたときのような迅速な対応はできないとしています。 同庁によると、富士山測候所には自動観測装置二台の二重システムのほかに屋内に自動観測の予備機がありますが、気温・湿度の観測データは外気と異なるといいます。 昨年十月に富士山測候所の常駐観測が廃止されたさい、山頂での風速・風向、天気や積雪の観測も打ち切られていました。 富士山測候所 中央気象台臨時富士山頂観測所として、一九三二年、富士宮市富士山頂剣ケ峰に創設。同年七月一日午前六時から通年地上気象観測がスタート。国内初の超短波無線機を用いた通報を開始しました。富士山頂観測所、富士山観測所を経て一九五〇年、富士山測候所に。世界最大級の探知範囲を持つ機器として一九六四年十月に山頂に設置されたレーダー観測など台風観測に活躍。レーダードームは一九九九年十月、老朽化などにより撤去され、富士吉田市歴史民俗博物館に二〇〇一年九月に運ばれました。昨年十月一日から「自動観測技術の進歩」を理由に常駐観測が終了しました。 |

学習・党活動版編集部の紹介ビデオ

