2005年1月9日(日)「しんぶん赤旗」

東京・三宅村が帰島調査

「自己判断」押印求める

「行政の言うことか」村民怒る


 火山活動による全島避難指示を来月一日に解除する東京都三宅村が昨年末、帰島意思の最終確認として、「火山ガスのリスクを受容し、自己の判断で帰島します」と、署名・押印を求めた調査票を村民に配布し、村民から「行政の責任を村民に押しつけるのか」と批判の声があがっています。

 三宅島への帰島について東京都の石原慎太郎知事は、昨年七月の記者会見で「何か起こった時に、その責任を都に持って来られても対処し切れないから、きちっと自己責任という一札を取って、それぞれの方が帰島の選択をされるべきだ」とのべていました。

 調査票は、先月二十七日付で、約千六百世帯(三千二百人)を対象に送ったもので、帰島する村民には、村の条例で定める行動基準に従って「適切に行動し自分自身の安全を守ります」と署名、押印するよう求めています。

 これに対し、武蔵村山市に避難する男性(49)は「村民は村の指示で避難したのに、“自己責任”で帰れと言われるのは納得できない。行政が言うべき言葉ではない」と怒ります。この男性は、帰島後の生活の見通しが立たないなか、調査票を書くのをちゅうちょしており、「行政は村民に判を押させる前に、希望者の家に脱硫装置をつけるなど、村民が安心して帰島できる条件を、責任を持って示すのが先だ」と話します。

 大田区で避難生活を送る男性は「島に帰っても雇用の場がないし、農漁業で収入が得られるようになるには時間がかかる。都内に残ると(都営住宅の)家賃がかかるようになる。それなのに、帰るのは自己責任と言うのか」と語気を強めました。

 村は、五日の記者会見で、「調査票に押印しなくても入島を拒否することはないか」と問われ、「そういうこと(入島規制)は法的には難しい」と答えています。



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