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2005年1月9日(日)「しんぶん赤旗」 インド洋大津波孤児を人身売買ユニセフが実例確認国際移住機構 厳重警戒呼びかけスマトラ島沖地震と大津波の後、孤児になったり親とはぐれた子どもの人身売買が被災各国で懸念されていましたが、国連児童基金(ユニセフ)は七日までにインドネシアで実例を確認しました。人身売買が行われているとの報告は被災直後から出ていましたが、直接に現場を確認したのは初めて。 確認された事例は、四歳の男児が両親を名乗る二人組にスマトラ島北部ナングロアチェ州の州都バンダアチェから四百五十キロ離れた同島メダンに連れ出され、病院にいるところを発見されたもの。ロイター通信によると、二人組がつじつまの合わない話をしていたことから非政府組織(NGO)がユニセフと警察に通報していました。 ユニセフによると、メダンは長年、「子どもの密輸出」の根拠地となってきました。 ユニセフには、ナングロアチェ州で約百人の幼児が深夜に高速艇で運ばれるのを目撃したという報告をはじめ、この種の報告が多数寄せられています。 国際移住機構(IOM)も七日、インドネシアのNGOから子どもの人身売買の報告が七件寄せられていることを明らかにし、被災各国に厳重な警戒態勢をとるよう呼びかけました。IOMはすでにインドネシア、スリランカ、タイに専門家を派遣しています。 IOMの推計では、東南アジア地域で毎年二十五万人の人身売買が行われており、IOMは、大災害に付け込んでこの種の犯罪が増加する恐れがあると警告しています。 ユニセフはナングロアチェ州に「児童対策センター」をすでに設置しており、身寄りをなくした子どものために二十カ所に宿泊施設を設ける計画です。 被災国のインドネシア、スリランカや米国は、今回の大災害で孤児となった子どもの養子縁組を禁止する措置を取っています。
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