2005年1月6日(木)「しんぶん赤旗」 石播 経営困難打開の党提案に共感人と技術 大切にしてこそ再生の道元管理職も「共産党とオープンに議論を」石川島播磨重工業の労働者とOB百四人が「人権回復を求める石播連絡会」に結集する東京地区(江東区)では、職場にある日本共産党石川島委員会が「思想差別と仲間への差別の根は一つ。あらゆる差別をなくそう」と地域の労働組合の支援をえて活動をしています。 同時に、労働者の大きな関心事となっている石播の経営困難をどう打開するかで対話を広げようと努力しています。 賃金水準を切り下げへ
この間、石播が極秘にすすめていた「Dプロ」とよぶ設計部門のリストラ計画に反対して立ち上がりました。その柱は、設計部門の関連会社を統合して子会社を設立し、賃金は石播本体の七割以下にするというもので、各関連会社に出向させられている多くの労働者が子会社への転籍を迫られることになります。「Dプロ」は、労働者全体の賃金水準を切り下げることにつながる計画です。 党委員会は、「労働者をコストとしか考えない労働者の安易な切り捨ては、技術の流出・低下をいっそうひどくする」と訴えた公開質問状(二〇〇四年十一月)を社長に出しました。「人と技術を大事にする経営に変えてこそ、再生の道が開ける」と提案しています。 求めに応じ資料を届け管理職を含む労働者に「Dプロ」の概要を電話も使って対話し、求めに応じて公開質問状などの資料を届けています。 これまで耳を貸そうとしなかった労働者からも「読みます」「送ってください」という要望があり、「郵送代も含めて二千円カンパします」という労働者もいました。 管理職をしていた年配者は「共産党のいっていることは正しい。いまの経営者は、業績や勢力争いに夢中になって、自分のいうことを聞くものだけを登用している。送った文書は読ませてもらいます」。別の元管理職も「人と技術を大事にすべきというご指摘はその通り。目先だけでなく長い目で見て、技術の継承を考えなければならない。こういう問題について、共産党ともオープンに議論することが大事だ」と共感が広がっています。 抗議と苦情批判の声公開質問状への社長回答はまだありませんが、「Dプロ」計画への抗議と苦情が社長に相次ぎ、役員からも批判の声がでたといわれています。ある情報によると、「あの計画は中止になったようだ」といっています。 〇二年、〇三年と赤字決算が続き、経営困難を認めている伊藤源嗣社長自身、「いまの石播で一番よくない点はオープンでない体質・風土」「上下左右が自由闊達(かったつ)な社風を取り戻す」と社内報などで全社員に訴えています。 「会社に育成された秘密労務組織による職場支配と思想差別で、職場の意見を抑え込んできたことが、自由闊達な職場風土を壊してしまった最大の原因です」と指摘するのは黒田昌弘党委員長です。続けていいます。 「一切の差別をやめて職場に自由を回復し、リストラと成果主義を改めて、人と技術を大切にする経営方針に転換することこそ、再生の道です」 |