2005年1月5日(水)「しんぶん赤旗」

戦後60年――「戦争のない世界」へ、
歴史の本流に立つ党の真価発揮を

党旗びらきでの 志位委員長のあいさつ


 日本共産党の志位和夫委員長が四日の「二〇〇五年党旗びらき」でおこなったあいさつ(大要)は次の通りです。


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あいさつする志位和夫委員長=4日、党本部

スマトラ沖地震・大津波の被災者
救援――日本は積極的な役割を

 みなさん、二〇〇五年、新年明けましておめでとうございます。CS通信をご覧の全国のみなさんにも心からのあいさつを送ります。

 まず冒頭のべておきたいのは、昨年末におこったインドネシア・スマトラ沖地震と大津波についてであります。この地震・津波災害は、十四万人をこえる人命を奪い、史上空前の大災害となりました。私は、犠牲となった方々に心からの哀悼の気持ちをのべるとともに、各国政府と国民のみなさんにお見舞いを申し上げます。

 この大災害にたいして、被災者の救援と支援、伝染病などの二次被害を防ぐために全力をあげることは地球的規模での急務となっています。そのなかで日本として、つぎのような積極的な役割をはたすことが必要であります。

 まず緊急の対応としては、被災者の生命を救うための救援と支援、生活をささえる物資の援助、医療面などの援助を、国連、国際人道機関、NGO(非政府組織)との協力を密にしながら、すみやかにすすめることがもとめられます。

 より長期的視野にたった対策としては、地震・津波の被害をくりかえし受けてきた国として、蓄積してきた防災の知識を生かし、アジア・太平洋・インド洋地域に、津波など災害の警報システムをつくるために、日本が必要な資金、技術、専門家を提供することが必要であります。

 言語に絶する苦しみのなかにある人々に心をよせ、こうした活動に真剣にとりくむことこそ、日本がなすべき国際社会への真の貢献であることを、強調するものです。


歴史をゆがめた侵略戦争美化論の横行・台頭を許さない

 さて今年は、第二次世界大戦が終結してから六十周年の記念の年であります。私は、この記念すべき年に、日本国民が、今日の世界秩序はどういう基礎のうえに成り立っているかをしっかりふまえて、歴史の逆流を許さないことが、強くもとめられていると思います。その立場から、いま日本が直面している三つの焦眉(しょうび)の問題についてのべます。

 第一は、日本軍国主義による侵略戦争を、「正しい戦争だった」とする、歴史をゆがめた戦争美化論の横行や台頭を許さないということであります。

今日の世界秩序の根本を否定し、アジアで生きていく立場を失う

 昨年をふりかえっても、一部の政治指導者によって、靖国神社参拝がおこなわれ、侵略戦争や植民地支配を美化する発言がくりかえされました。歴史の事実をわい曲した「歴史教科書」を一部の学校に無理やりおしつける決定がなされました。これらが、アジアの諸国民からきびしい批判をよびおこしているのは、当然であります。なぜなら、日本の戦争をどうみるかは、けっして「内政問題」ではなく、重大な国際問題であるからです。

 戦後の世界秩序は、日本・ドイツ・イタリアの侵略戦争を世界が断罪した基礎のうえに成り立っています。六十年前に調印された国連憲章も、そのすべての条文が「侵略戦争の再現を許さない」という基礎のうえにつくられたものです。

 もしも、日本が「あの戦争は正しかった」と歴史の改ざんをはじめ、それが日本の主流になったとしたら、日本は今日の世界秩序の成り立ちを根本から認めない国として、アジアでも、世界でも、生きていく立場を失うことになります。私は、そういう認識をもって行動することを、政府・与党、とりわけ小泉首相に強くもとめるものです。

ドイツはどうやって欧州で信頼ある地位をしめたか

 ドイツは、日本と同じ第二次世界大戦での侵略国家ですが、戦後、ナチス・ドイツのおこなった犯罪的な戦争を徹底的に批判し、次の世代に引き継ぐ努力をつみかさねることで、ヨーロッパで信頼ある地位をしめるにいたっています。

 昨年六月、連合軍によるフランス・ノルマンディー上陸作戦から六十周年にあたる記念日におこなわれた記念式典には、旧連合国首脳とともに、ドイツの首相としては初めてシュレーダー首相が参加し、つぎのような言明をおこないました。

 「われわれドイツ人は、戦争を始めたのが誰かを知っている。われわれは、歴史を前にした責任を自覚しており、それを誠実に担っていく」

 ノルマンディー上陸作戦についてのフランス国民とドイツ国民の記憶には、異なるものがあったとしても、これが全欧州とドイツをナチスから解放する重要な事件だったことは、いまや独仏両国民の共通の歴史認識になっています。そのことをドイツ首相が表明したことは、ヨーロッパにおける民族和解と恒久平和をたしかなものにするものと、強い共感をもってむかえられました。

アジア諸国と、歴史認識を共有し、ともに平和な未来をめざす関係に

 日本とアジア諸国との関係も、こういう関係にする必要があるのではないでしょうか。侵略をおかした側がその戦争責任をきっぱり認め、歴史認識を互いに共有し、ともに平和な未来をめざす関係へと発展させることが、いま強くもとめられているのではないでしょうか。

 日本共産党は、八十三年前に党を創立していらい、侵略戦争に命がけで反対をつらぬいた歴史をもつ党として、そのためにあらゆる力をつくす決意を、年頭にあたって申しのべたいと思います。(拍手)


憲法9条を壊すあらゆるくわだてに反対し、世界に誇る平和原則をまもりぬく

 第二は、憲法九条を壊すあらゆるくわだてに反対し、世界に誇るこの平和原則をまもりぬくことであります。

憲法9条には日本国民の二つの決意が込められている

 私は、戦後、日本国民が憲法九条をつくったさい、そこに二つの決意を込めたことを、いまあらためて確認することが、重要だと思います。

 一つは、日本は二度と戦争をする国にはならないという、いわば“国際公約”であります。私たちは、この条項が、日本の侵略戦争によるおびただしい犠牲者――アジアで二千万人、日本国民で三百十万人もの犠牲者のうえに築いた、“不戦の誓い”であることをけっして忘れてはならないと思います。

 もう一つは、日本が、世界に率先して、戦争放棄と軍備禁止という、恒久平和主義を極限にまですすめた道にふみだすことで、世界平和の先駆になろうという決意であります。憲法制定当時、文部省が発行した『あたらしい憲法のはなし』を読みますと、憲法九条について、「日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません」と、平和の理想への信念を高らかにのべています。

“国際公約”にそむき、“不戦の誓い”を投げ捨てるもの

 これらの戦後の原点にてらせば、いま自民党、民主党などによって競い合うようにすすめられている九条改憲の動きのもつ重大な意味が、浮き彫りになってきます。

 第一に、それは“国際公約”にそむき“不戦の誓い”を投げ捨てるものにほかなりません。

 昨年末、自民党が「戦争をする国」づくりをむきだしにした「憲法改定案」を発表したことにたいして、韓国の超党派の国会議員の会が「わが民族の生存を脅かすもの」と批判し、中国、東南アジアのマスコミも「日本軍国主義の再来」と批判しました。私は、これは、多くのアジア諸国民が、憲法九条を、ひとり日本の憲法であるだけでなく、自らの血の犠牲のうえにつくられたアジア共有の財産だと考えていることを示すものであると思います。

9条の理想に、国際政治の現実が近づいてきている

 第二に、世界平和の先駆という点ではどうでしょうか。憲法制定当初の時点では、日本は「正しいこと」を先駆けて宣言した、いわば特別の国でした。ところが、二十一世紀に入ったいま、「戦争のない世界」をめざす人類史上空前の波がおこるなかで、憲法九条は、世界でも普遍的な意義をもつ条項として熱い注目が寄せられています。国連ミレニアムフォーラムの報告書にも、各国憲法のなかに日本国憲法第九条のような戦争放棄条項をとりいれるべきだということが明記されました。

 すなわち、戦後六十年が経過して、わが国の憲法九条が掲げた理想に、国際政治の現実が近づいてきているのであります。憲法九条が、その歴史上、最も強い輝きをはなっている時に、この宝を捨て去るぐらい、愚かな歴史逆行はありません。

国民的運動を広げ、改憲派を大きく包囲する年に

 昨年は、日本の知性を代表する著名人がよびかけた「九条の会」が発足し、全国各地で憲法擁護の草の根のたたかいが広がりました。これは、日本国民のもつ憲法九条への熱い思い、平和を願う巨大なエネルギーを感じさせる希望ある動きであります。

 みなさん、今年、このたたかいを、文字どおり国民的運動に発展させ、改憲派を大きく包囲する年にするために、知恵と力をつくそうではありませんか。(拍手)


「国連憲章の平和のルールを守れ」を旗印にした共同を、日本でも、世界でも

 第三は、「国連憲章の平和のルールをまもれ」を旗印にした共同を、日本でも、世界でも、さらに大きく広げることであります。

無法な戦争をすすめた米国が、いよいよ孤立を深めた一年

 昨年は、無法なイラク戦争をすすめた勢力が、世界でいよいよ孤立を深め、自己破たんを深めた一年でした。

 戦争の「大義」とされたものが崩壊し、ファルージャでの虐殺が世界中の非難を呼び起こし、米国が「有志連合」とよんだ戦争連合が、崩壊をはじめました。米国を支持し、軍隊を派兵した三十七の国のうち、スペインをはじめ九カ国がすでに撤退し、オランダなど七カ国が撤退表明をしました。派兵継続に固執している国は二十一カ国と、「有志連合」は、世界のごく一握りにまで孤立しました。

 世界でおこなわれた世論調査をみても、アメリカの孤立はいよいよ深刻であります。

 欧州連合(EU)の世論調査機関「ユーロ・バロメーター」による、昨年十二月の欧州の二十九カ国・一地域の調査では、「アメリカは世界平和に否定的な役割を果たしている」と答えた人が58%に及びました。

 ラテンアメリカの世論調査団体「ラティノ・バロメトロ」による、昨年十月のラテンアメリカ十八カ国の調査では、「イラクでの米国の行動を支持しない」と答えた人は、なんと85%と絶対多数となりました。この大陸でおこっている独立と民主主義の大きな波を感じさせる結果であります。

 日本でも、昨年十二月の読売新聞社と米ギャラップ社の共同世論調査では、「米国を信頼していない」と答えた人は53%にのぼり、三年連続で増え続けています。

 そしてアメリカでも、昨年十二月のワシントン・ポストとABCテレビの合同世論調査によりますと、「イラク戦争は戦う価値がなかった」との回答が、56%に達し、一昨年の戦争開始以来初めて、過半数の米国民がイラク戦争は間違いだったと判断しました。ブッシュ政権の無法な侵略政策は、アメリカ本国でも少数派に転落したのであります。

戦後60年におこった世界の構造変化と、平和をめざす人類史上空前の波

 これらの平和への動きの根底には、戦後六十年間におこった世界の構造の大きな変化があります。

 六十年前に国連が創設されたとき、「戦争のない世界」を築く力として期待がかけられたのは、反ファシズムの戦争で大きな役割を果たした五つの大国の協調・協力でした。

 しかし、二十一世紀の今日、「戦争のない世界」をめざす人類史上空前の波を支えているのは、少数の大国ではありません。それを支えているのは、戦後六十年間に自らの力で植民地支配からの独立をかちとった諸国民をはじめとした、世界のすべての民族、すべての国民であります。

 この世界の巨大な構造変化が目に入らず、いまだに世界は、超大国・アメリカの思うがままに動かせると信じている勢力、その追随者には、けっして未来はないといわなければなりません。

アジアでおこっている平和の大激動――この流れを促進する自主外交への転換を

 そして、昨年の動きでとりわけ重要なことは、かつては敵対と分裂の大陸だったこのアジアで、「戦争のないアジア」をめざす平和の大激動が広がっていることです。

 それは、昨年九月、中国で開催されたアジア政党国際会議で採択された「北京宣言」に、「国連憲章にもとづく平和秩序」の旗が高々と刻み込まれたことにもしめされました。

 それはまた、東南アジア諸国連合(ASEAN)の「平和憲法」ともよばれる、東南アジア友好協力条約(TAC)が、ASEAN諸国以外にも大きく広がり、パプアニューギニア、中国、インド、日本、パキスタン、韓国、ロシアが加入し、世界人口の半数をこえる三十三億人の人口を擁する巨大な平和の潮流をつくりだしていることにもしめされました。

 これが二十一世紀の世界とアジアの新しい姿であります。戦後六十年を経て国連憲章という平和の枠組みがよみがえり、史上かつてない大きな力を発揮しつつある。このなかで日本が、アジアに生きる国として、アジアの平和の流れを促進する自主外交へと転換すること、また、北朝鮮問題もふくめて、あらゆる外交問題を、道理にたった平和的な話し合いで解決する努力をつくすことが、痛切にもとめられていることを強調したいのであります。

 みなさん、戦後六十年の今年を、「戦争のない世界」への流れが日本でも世界でもいっそう広がり、いよいよ世界の本流になる。そういう年にするために、野党外交でも、国内のたたかいでも、平和の党の真価を発揮したとりくみをすすめようではありませんか。(拍手)


暮らしも経済も破壊する大増税計画を許さないたたかいを

 国内政治、とりわけ国民生活に目をむけてみますと、今年は、本格的な大増税路線を許していいのかどうかが、大きな焦点となります。

 昨年末の政府予算案や与党税制改正大綱を受けたマスメディアの報道では、大見出しを紹介しますと、「本格増税路線に」(「毎日」)、「本格増税路線 明確に」(「東京」)、「老いも若きも負担増」(「朝日」)、「増税路線 色濃く」(「読売」)、「増税路線一歩踏み出す」(「日経」)と、そろって本格的な大増税路線への踏み込みを報じました。東京新聞は、「ひたすら『痛み』に耐えてきた国民の堪忍袋の緒が切れる日は近いかもしれない」と、これが国民のなかに深刻な矛盾を引き起こすことへの強い警告を書きました。

2005年度と06年度の2年間で、新たに7兆円もの負担増が

 いったい国民の家計にたいして、どれだけの新たな負担増をおしつける計画なのか。

 まずすでに決定ずみで、二〇〇五年度と〇六年度の二年間に実施が予定されている負担増は、総額三兆円にのぼります。年金保険料の引き上げ、配偶者特別控除の廃止、消費税の免税点の引き下げなどであります。

 それにくわえて、二〇〇五年度と〇六年度の二年間に実施が計画されている負担増は、総額四兆円にのぼります。所得税・住民税の定率減税の縮小・廃止による三・三兆円の大増税にくわえて、介護保険の利用料・保険料の値上げなどがくわだてられています。

 この両者を合計すると、二〇〇五年度と〇六年度の二年間で総額七兆円もの国民負担増が、新たに家計におしつけられようとしています。さらに、つぎに控えているのは、与党と民主党が合作で推進している二〇〇七年度からの消費税二ケタ増税の計画であります。

「橋本大失政の二の舞いになる」――日本経済への打撃は深刻

 この計画を前にして、さすがに政府・与党の一部、経済界、エコノミストなどからも、「橋本大失政の二の舞いになるのではないか」という危ぐの声があがっています。一九九七年に橋本内閣が強行した消費税増税など九兆円の負担増は、当時弱々しいけれども回復しかけていた景気をどん底に突き落とすとともに、結局は財政破たんをさらにひどくする大失政となりました。これが再現されるのではないかという危ぐであります。

 実際、いま計画されている大増税路線が強行されますと、日本経済にあたえる打撃は、橋本内閣の九兆円の負担増を上回る、より深刻なものとなる危険が大きいのであります。九七年当時には、家計の所得は、年間五兆円から六兆円の規模で伸び続けていました。その伸びをも上回る九兆円の負担増で景気の底がぬけてしまったというのが、当時おこったことでありました。その問題を大いに私たちも国会で警告し追及しました。

 ところがこの数年をみますと、家計の所得は、年間三兆円から六兆円の規模で減り続けているのであります。ただでさえ家計の所得が数兆円規模で減り続けているのに、それにくわえて七兆円もの新たな負担増をかぶせたら、それが暮らしと経済にどんな破壊的影響をあたえるかは、はかりしれないものがあります。

正面から増税路線にたちむかっている日本共産党のがんばりどころ

 だいたい、関西空港二期工事など巨大開発は聖域にしたままで、庶民に巨額の負担増をおしつけることが許されていいものか。さらに、大企業と高額所得者への減税をつづけながら、庶民だけを狙い撃ちにする負担増をすすめる道理がどこにあるか。いま政府・与党がすすめている道は、どこからみても説明のつかないものであります。

 ここは正面から増税路線にたちむかっている日本共産党のがんばりどころであります。今年、国民の暮らしをまもるさまざまな多面的な活動にとりくみながら、七兆円負担増、消費税大増税という二段階の負担増計画に反対するたたかいを、日本列島の津々浦々からおこし、広げるたたかいの先頭にたって奮闘する決意を、かためあおうではありませんか。(拍手)


党の実力をつける仕事に、集中して力をそそごう

 最後に、今年の党活動と党建設にどうとりくむかについてのべます。

 解散・総選挙にいつでも対応できる態勢をつねにとっておくことが重要であることはいうまでもありませんが、今年は、全国的な政治戦がない可能性が高い年であります。

 こういう年の党活動として重要なことは、東京都議会選挙、北九州市議会選挙、合併自治体をはじめとした中間選挙で着実に勝利を積み重ねながら、つぎの国政選挙での前進をめざして党の実力をつける仕事に、集中して力をそそぐことであります。わが党にとって、いまの時期、この年が、二十一世紀をたたかう党づくりに執念をもってとりくむべき歴史的時期であること、この事業の成否にわが党の未来がかかっていることに腹をすえて、新たな抱負と目標をもって、新しい年にのぞむことを心からよびかけたいのであります。

 三点にしぼって重視すべき問題をのべます。

「国民の苦難あるところ、日本共産党あり」の精神にたった活動を

 一つは、「国民の苦難あるところ、日本共産党あり」の精神にたった活動を、あらゆる分野で豊かに発展させることです。

 この点で特筆すべきは、新潟県中越大震災と台風・豪雨災害の救援、支援の活動であります。昨年末までに、救援募金は二億円をこえ、ボランティア活動に参加した人はのべ一万二千人をこえ、支援物資は段ボール箱で八千箱以上が現地にとどけられました。私も、市田書記局長とともに、現地にうかがい、被災者のみなさんの要望をつぶさに聞きましたが、どこでも地元の日本共産党員が自ら被災しながら懸命に救援活動の先頭にたっていたこと、全国から続々とかけつけたボランティアが被災者の心をわが心として奮闘していたこと、その姿が立場の違いをこえて多くの県民のなかに強い信頼と共感を広げていたことは、ほんとうに感動的であり、わが党の立党の原点を見る思いでありました。

理論的にも、組織的にも、党を土台からしっかり築きあげる

 二つは、理論的にも、組織的にも、党を土台からしっかりと築きあげる仕事であります。

 理論的な土台とは、何よりも新しい党綱領を全党のものにし、みんなが「生きた言葉・生の声」で党を語れるようになることです。昨年の参議院選挙後、全国の五千をこえる支部で綱領学習会がとりくまれ、全党に学ぶ気風の高まりがみられることは、きわめて重要です。これを文字どおり全支部、全党の運動に発展させ、どんな情勢の激動のなかでも確固として揺るがない理論的・政治的確信を、全党のものにしようではありませんか。

 組織的な土台づくりにかかわって、特に強調したいのは、党生活確立の「三原則」――会議に出る、党費を納める、日刊紙を読む――を、すべての党員が実行する気風を、党のすみずみまで定着させることです。この「三原則」を実行することは、たんなる実務の仕事ではありません。党の根本的なありかた、党の質にかかわる問題であります。それはこの「三原則」を実行している支部が、例外なく、住民と日常的にむすびつき、要求にこたえた活動にとりくみ、互いに支えあう温かい人間集団をつくり、多面的で豊かな活動を展開していることにもしめされています。

「50万の党」への挑戦とともに、「しんぶん赤旗」を量質ともに強めよう

 三つは、今年いっぱいを期限として「五十万の党」の建設という仕事に正面からとりくむこと、とりわけ昨年新しい前進の芽がつくられた若い世代のなかでの活動を強めること、そして、つぎの国政選挙を、前回選挙時比で三割増の「しんぶん赤旗」の読者をもってたたかえるよう、党勢拡大の独自の追求をすすめることであります。

 このなかで、「しんぶん赤旗」の活動を、量の面でも、質の面でも、大いに強めることを、思い切って重視したいと思います。いったん読者になったら、その紙面の魅力に引き込まれて、読み続けていただけるような紙面改善、紙面改革にも努力をはかる決意であります。

 戦後六十周年の記念すべき年に、わが党が歴史の本流にたつ党としての真価を輝かせ、世界と日本の平和、国民の暮らしの擁護のためのたたかいでも、「二大政党制づくり」の動きを打ち破る党の実力をつけるという点でも、実り多い成果をむすぶことができるよう、新たな意気込みで奮闘しようではありませんか。

 以上をもって年頭にあたってのごあいさつといたします。ともにがんばりましょう。(拍手)



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