2004年12月27日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

かなえた 起業家の夢

民主商工会が応援

「遊び心いっぱいの会社にしたい」


 民主商工会のアドバイスをうけ、起業家の夢をかなえた青年がいます。東京都東久留米市の森村新人さん(27)。立ち上げたのは、携帯電話・着信メロディー(着メロ)のデータ制作やCGアニメーションのバックグラウンド・ミュージックの作曲・編曲などをする会社です。「遊び心いっぱいの楽しい会社にしたい」とベンチャー企業に挑む森村さんです。菅野尚夫記者

携帯着メロ制作会社を設立 森村新人さん(27)

 森村さんが、携帯電話・着信メロディーのデータ制作をする合資会社を立ち上げたのは昨年四月でした。会社は順調に業績をのばし、今年一月には、七人の音楽仲間と有限会社「ソナリティー」を設立。着メロをインターネットで配信するサイトを開設し、コンテンツ(情報内容)ビジネスに経営を広げています。会社設立から一年半、年商一億円の大台に乗せることができました。

 会社をつくるきっかけは、「一人でもできる着メロの仕事があるから手伝って」と、デジタルコンテンツの会社に勤める友達から誘われたことです。本業のドライバーをしながらアルバイトでやっていましたが、仕事量が増えてドライバーは辞めました。そして、音楽専門学校の同級生だった友達二人と着メロデータ制作を専業にすることにしました。

相談で不安解消

 やがて、二千曲の制作が可能になり、友人から「会社組織にするなら下請けとして仕事を回せる。会社組織にしてほしい」と言われました。会社づくりが始まったのは、それからです。

 香川県出身の森村さんは、高松民主商工会の友人に電話をして相談しました。「簡単です。民商に相談すればいい。東京にもあるから連絡しておく」という返事。森村さんを、すぐ清瀬・久留米民商の事務局長が訪ねてきました。「合資会社にすればすぐに作れます」というアドバイス。

 合資会社は、定款の認証の手続きが不要で設立手続きが簡単。費用が安く、二人から会社を設立できることも分かりました。

 経営の知識は「音痴同然だった」という森村さんは、民商にすぐ入会しました。「民商に出会わなければ起業は無理だった。何かあったら相談できるところができます。不安が無くなりました」

チャンス逃さず

 森村さんが大きな夢を持つまでには、紆余(うよ)曲折がありました。香川県で大きな塾を経営する両親のもと、森村さんは子どものころからピアノを習い、高校、大学へと進学。そして、よい会社に入るというコースが与えられていました。

 しかし、森村さんは親の考えとは違った道を歩みました。ゲームと音楽が大好きで、中学生のころからロックバンドを結成。中学卒業後、高校に進学せずに、大学入学資格検定(大検)に挑戦して合格しました。東京に出て音楽専門学校で学んで卒業。音楽で食べていける仕事を探しもとめていました。

 「チャンスは誰にでもあります。逃さないことです」という森村さん。九月にあった全国業者青年交流会に参加しました。「違った業種の仲間に出会えて勇気がわきました。民商は僕にチャンスを生かす力をくれました」

兵庫では独自の融資制度を改善

 起業家を目指しても先立つものが資金です。

 兵庫県商工団体連合会青年部協議会は、「起業を志す青年が利用しやすいように改善してほしい」と七年間、兵庫県産業労働部と交渉し、今年十月から、新規開業貸付制度の自己資金要件を緩和させました。兵庫県独自の融資制度です。

 この制度を利用するときは、開業に必要な資金の50%の自己資金がなければ、融資を受けられませんでした。それが、緩和で「おおむね30%以上」の自己資金があれば受けられるようになりました。

 新規に事業を始める人を対象に設備費、運転費に上限二千五百万円の融資が受けられます。利率は1・5%。担保・保証人は要りません。


起業しやすい環境づくりへ

 兵庫県商工団体連合会青年部協議会会長の井賀英夫さん(31)=サービス業=の話 私たちは青年業者のための新規開業セミナーを開いたり、実態調査アンケートを毎年集め、その要求に基づいて粘り強く交渉してきました。

 今、自分の力を社会の中で試したいと、独立・開業を選択する若者が増えています。業者青年の道理ある提案が実現してとてもうれしい。

 しかし開業までこぎつけても、中小零細業者のための予算は大変少なく、商売を継続していくことが大変な社会状況です。起業を目指すうえでの融資制度の改善は勝ち取りました。ひきつづき、中小業者が安心して商売を続けていくことができる環境づくりに取り組んでいきたい。

 自分たちの経営とくらしを守り発展させるために、業者青年の要求を集め、学習し、仲間と共に運動をすすめていきましょう。


 民主商工会 地域の業者を結集して生まれ、中小業者の営業と生活・権利を守り、経済的・社会的地位の向上をめざす組織。全国商工団体連合会は民主商工会を中心とした都道府県連合会の全国組織です。


お悩みHunter

女性と話すのが苦手そんな自分変えたい

  女性と話すのがすごく苦手で困っています。女性と一対一で話すときなど緊張してしまい、言葉が続きません。自意識過剰なんだと思います。

 大学に入学してから、そんな自分がいやで、サークルにも入って女性と接する機会をたくさん作るようにしています。自分が惨めになることが多いのですが、こんな自分を変えるには努力するしかないと思っています。(19歳、男性。東京都)

全部変えようとは思わずに

  あなたのような年齢で、女性の前で緊張してしまって、話すのが得意でないというのは、当然のことではないでしょうか。

 ただ最近は、女性と話すのがうまくて急接近してしまう人、遠慮してしまう人、両極端な傾向があるようです。

 あなたは自分に自信がないのではないでしょうか。自信がなかったり、傷ついた経験のある人は、これまでの自分を否定して、全然違う自分になろうとすることがよくあります。

 自分を全部変えようとあせると、ますます緊張してしまって、うまくふるまえなくなります。無理していれば、相手にも不自然に思われます。

 文面からすると、あなたはまじめで、女性とのつきあいを誠実に考えています。そういう自分のありのままを認めましょう。

 自分の変えていけるところと、変えられないところはどこか、もう一度自分の基軸をどこにするかを見つめましょう。そして、華やかでなくていい、静かに力をつけましょう。

 急に彼女をつくろうと思わず、友人関係をつくるところから始めましょう。自分のことをわかってくれる人と出会うかもしれません。


精神科医 上村順子さん 山口大学医学部卒。代々木病院、松沢病院などで勤務。99年からめだかメンタルクリニック院長。



もどる
日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ

著作権についてリンクについてメールの扱いについて
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7  TEL03-3403-6111 FAX03-5474-8358 Mail:info@jcp.or.jp