日本共産党

2004年12月26日(日)「しんぶん赤旗」

住民利益を守って

日本共産党員の市町村長が語る


新しい考え方と技術で

福島・国見町長

佐藤  力さん

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 市町村合併問題で揺れる伊達郡で、合併協議会からの離脱・当面自立を掲げ、伊達六町合併推進の現職を破り町長選に当選しました。初登庁が十一月二十九日でしたので、まだ町長になって一カ月たっていません。

「明るくなった」

 うれしいのは、「町長が変わって町の中が明るくなった」という話を聞いたことです。

 町長選では、四つを公約に掲げました。一つ目は合併協から離脱し、当面自立の道を歩むこと。国見町の財政は伊達郡の他町と比べても比較的健全で、基盤整備も進んでいます。実際町長になってからシミュレーションをしたところ、少なくとも今後十年は十分やっていける結果が出ました。

 二つ目が人間尊重の活力あるまちづくり。十年ほど前まで町の人口は一万二千人で、町の面積も人口も日本全体のちょうど一万分の一でした。現在人口は一万千人を切ってしまっています。

 活力があるということは、町民の収入が確保されて生活が安定する必要があります。今までの行政は、予算をいかに使うかという部分があったと思います。従来と同じではなくて、新しい考え方や技術を生かし、変革者の精神でプロデュースし、情報発信していかなければいけない。

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 幸い国見町は交通の要衝です。地域医療の拠点、公立藤田病院もあります。今度のNHK大河ドラマ、源義経ゆかりの地、阿津賀志(あつかし)山もあります。年末から正月一日までライトアップされることでも有名です。再び日本の一万分の一と言えるようにしていきたいです。

 三つ目は、国見町長が管理者である公立藤田病院を核とした福祉と健康のまちづくりです。残念ながら藤田病院は厳しい経営を強いられてきましたが、関係者とよく話し合い、より地域に信頼される病院となってもらうよう尽力しています。

 最後は町長報酬の三割カットと黒塗りの町長公用車廃止です。町長報酬は初議会の十二月議会で議案が可決され、早速公約実現できました。黒塗り公用車も二十七日に競争入札で売却します。

合併問題頑張る

《データ》
2004年11月当選
人口1万1000人
議会定数18
党議員1人

 合併問題で議員の皆さんの理解を得るのには苦労し気を使っています。合併協離脱の同意を求めた議案は一人差で否決となりました。ただ町長選でも結果が出て、その後の町民アンケートでも六割を超える町民の皆さんが六町合併協離脱の意思を示しました。議員の皆さんの理解を得られるように頑張ります。

 町議も二十四年間しましたが町長は本当に忙しいですね。二十四時間いつでも首長なんですね。町長になる前は水泳が好きで毎日千六百から千八百メートル泳ぐのが日課でした。今はそうはいきませんから、毎日自宅から約二十分かけて歩いて登庁するようにして、気分転換と運動にしています。

 聞き手・福島県 町田 和史記者


自主的町づくり今こそ

滋賀・びわ町長

橋本  健さん

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 町政をになって二期五年になります。初当選時に公約の第一に掲げた、「外部からの圧力に屈しない町民が主人公の清潔・公正な町政の実現」は、「不当要求対策要綱」をつくり、全庁的な取り組みで不当な圧力を一掃してきました。いまでは、町政が安定し、町民からも「落ち着いた町になった」と喜ばれています。

 いま力を入れているのは、町民の自主的な町づくりのためのサポート制度をつくること。その一つとして取り組んでいるのは、防災の自主組織づくりの促進です。防災活動の促進は地域づくりにもつながりますし、町づくりを共同でしてもらうことにもなるわけです。

農業に独自助成

 県の「環境こだわり農産物」の助成基準に上乗せする町独自の奨励助成金制度を県内で初めて実施しました。例えば水稲の「環境こだわり米」のコシヒカリの場合、県の基準では農薬、化学肥料を五割以下に削減し、農業排水の適正管理などが基準に達している場合に十アールあたり五千円の助成金が交付されるというものです。

 びわ町は、さらに土壌改良資材の散布、コシヒカリの田植えは五月十日以降などの上乗せ基準を満たしたら、プラス二千五百円を出す制度にしたのです。このようなことも評価されたのか、〇五年度百トン、二十ヘクタールものコシヒカリ生産に結びつき、農家の人たちに大変喜ばれています。

地図

 乳幼児医療費無料化の助成制度は一期目に就学前までに拡大しました。いまでは湖北の一市十二町に広がりました。小学校の机といすも、古くなったので今年の夏休みいっせいに更新しました。

 保育要求が高まっており、工夫して待機児童をつくらないように努力したいと思っています。

 お年寄りが寝たきりにならないように、足腰を鍛える筋力トレーニング用マシンを購入し利用してもらっています。空き家を使ってのデイサービスも、来年から実施することになりました。

町内の業者優先

《データ》
2003年12月再選
人口 約8000人
議会定数12
党議員1人

 県内初の、地元の中小業者に優先的に発注する「小規模修繕等契約希望者登録制度」も好評です。町内の業者にできるものはやってもらうということで、入札制度も改善してきました。琵琶湖の水質改善などに役立つ、県が進めている早崎内湖ビオトープ事業に町としても積極的に取り組みたいと思っています。

 私はつねづね「住民が主人公」というのは、憲法が要請していて、だれもが取り組まなくてはならない課題だと思っています。これは、首長ならば思想信条がどうあれ、だれもがやらなければならないことだと考えています。本来、国もそうでなければならず、地方自治体として言うべきことをいっていかなければならないと思っています。

 町民の立場で行財政改革をどう知恵を働かせてやっていくかが問われていると思います。

 聞き手・嶋田 昇記者



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