日本共産党

2004年12月26日(日)「しんぶん赤旗」

赤旗記者は告発する

ファルージャ総攻撃の無法 (5)

攻撃される側の視点で


 米軍による無法の極みというべきイラク戦争とファルージャ攻撃にたいし、しんぶん赤旗記者として最も心を砕いたのは、いかにその実態をリアルに告発し、イラク人の苦しみを、「攻撃され殺される側」であるイラク人自身の言葉で日本の読者に伝えるかということでした。記者自身、米軍に爆撃される夢を見ることもたびたびでした。

 「殺される側」の視点は、日本の一般マスコミの多くが、イラク戦争開始以降、侵略を行う米軍サイドからの戦況報道や米軍発表を無批判に紹介することに終始し、戦争の犠牲者である罪のない一般市民によりそう報道が極めて少ない中では特別に重要でした。今回のファルージャ総攻撃に関しても、メディアは「市内に立てこもるテロリスト掃討作戦」などと、米軍のいいぶんをそのまま流すことがほとんどでした。

イスラム教徒の「赤旗」への思い

 とはいっても、記者(小泉)にとって、イラク国民にたいする直接取材は極めてハードルの高い仕事です。そこで百万の援軍となっているのが、しんぶん赤旗カイロ支局の二人の助手の存在と、イラク戦争を国連憲章に反した違法な侵略戦争として、一貫して反対したたかってきた日本共産党や「赤旗」の立場、視点でした。

 エジプトでは現在も共産党は非合法です。しかもイスラム教徒である助手たちにとって、日本共産党の機関紙のために働くということには強い勇気と決断が必要です。その彼らがイラク戦争報道のために献身的に仕事をしていることは、「攻撃される側の真実を伝える」という、「しんぶん赤旗」ならではの視点抜きには考えられません。

 イラク人はエジプト人と同じアラブ人であり、エジプト人にとってイラク人はいわば同胞といえる人々です。その同胞に対するいわれなき無法な米軍の攻撃は、自分たちにたいする攻撃と同じであり、イラク人の犠牲には自らのこととして胸を痛めているのです。

真実と生の声をさらに届けたい

 これを裏付けるようなエピソードはさまざまあります。カイロのある研究者は、自衛隊派兵問題でインタビューしたさい、「自衛隊を派兵したことによって日本政府は侵略の推進者になってしまいました」と批判し、自衛隊のイラクからの撤退を強く訴えましたが、同時にこの研究者は「私はイラク問題では日本共産党に非常に期待している」と語りました。このような反応がいま、しんぶん赤旗カイロ支局の活動を大いに励ましているのです。

 米軍によるイラク戦争はますます激しさを増しています。これを即刻やめさせ、占領軍の撤退にもとづくイラク人自身の手による復興を支援することは、いま国際社会が迫られている最大の課題の一つです。しんぶん赤旗カイロ支局も、戦争の真実とイラク人の生の声の取材をさらに充実し読者に届けることにより、課題の達成に貢献していきたいと思っています。

 小泉大介記者

 (おわり)



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