2004年12月24日(金)「しんぶん赤旗」
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防衛庁は、陸上自衛隊霞ケ浦駐屯地(茨城県土浦市)の警務隊霞ケ浦派遣隊の隊員がカラ出張していたことを認め、上部組織の東部方面警務隊が捜査に乗り出したと二十三日までに明らかにしました。
日本共産党の緒方靖夫参院議員が十一月、国会で元陸自会計監査隊幹部・加藤好美氏の「不服申し立て」での告発をもとに警務隊の組織的な裏金づくりの疑惑を追及。大野功統防衛庁長官が調査を約束していたものです。
防衛庁によると、同派遣隊に所属していた陸曹長が二〇〇二年三月、航空自衛隊防府北基地(山口県防府市)に出張したように見せかけた旅費請求書類を作成。約五万九千円の旅費を不正に受け取りました。
同庁の回答では、陸曹長は会計担当者のミスで部下の警務隊員が赴任旅費を受け取れず、これを補てんするため不正をおこなったとしています。
別の一等陸曹は、同派遣隊に所属していた同年二月、出張先などを改ざんして旅費を請求。約千円を余分に受け取りました。
同庁は「旅費の不適切な支払いがなされていたのは事実」と認め、「法の番人たる警務隊の不正はあってはならないことで、原因究明と再発防止に努めたい」としました。しかし、警務隊の「組織的な裏金づくりとは認められない」としました。
加藤氏は、「不服申し立て」で、自衛隊側が回答した四件をはじめ、不正を具体的に告発しました。その一部を自衛隊は認めざるを得ませんでしたが、組織的裏金づくりは否定しており、今後さらに真相解明が求められています。