2004年12月23日(木)「しんぶん赤旗」
全頭検査から生後二十カ月以下の若い牛を除外することを盛り込んだBSE(牛海綿状脳症)対策の見直しを諮問されている内閣府の食品安全委員会のプリオン専門調査会(座長、吉川泰弘・東京大学教授)が二十二日に開かれました。
若い牛からのBSE感染の危険性は少ないとした「答申原案」にたいして、委員からは「リスク評価になっていない」「国際的な(科学的)批判に耐えられるか、疑問がある」などと異論が続出。「十一人の専門調査会委員のうち座長と座長代理のほかの委員が四人しか出席していないまま議論をすすめていいのか。すすめ方が強引だなと思う」と議論のあり方にも批判が相次ぎ、結論は先送りになりました。
答申原案は、二〇〇一年の段階で生後二十カ月以下のBSE感染牛が食肉処理にまわったのは年間最大一、二頭で、現時点では感染牛は少なくなり、危険部位が取り除かれているためリスクは少ないと見直しを妥当と評価していました。
しかし、委員から評価の前提となるデータの不備や数値の信頼性に科学的な疑問が投げかけられ、「数字が独り歩きするのは困る」「牛の感染価を評価しているのに、突然『人への汚染の感染価』になっている」などの誤りも指摘されました。