日本共産党

2004年12月17日(金)「しんぶん赤旗」

いま「しんぶん赤旗」が話題です


侵略告発するイラク報道

“悲惨な状況世界に”

 「米軍に殺された住民の遺体が道路に放置されています。けが人もいます。悲惨な状況を世界に伝えてください」

 十一月、米海兵隊が総攻撃したイラクのファルージャ在住の医師が衛星電話で伝えた声です。(本紙十一月十四日付)。

 攻撃開始前。米軍は人口約三十万のファルージャを完全封鎖し、ジャーナリストをシャットアウトしました。メディアは「市内に立てこもるテロリスト掃討作戦」という米軍発表をそのまま流しました。日本でも多くの新聞が同じ立場で「米軍が武装勢力を圧倒」とか「全市を制圧」と報道しました。

 攻撃をうけているファルージャの住民はどうなっているか。「しんぶん赤旗」カイロ支局の小泉大介記者と二人の助手は、攻撃される側のイラク民衆に焦点を合わせた報道に徹しました。電話で伝えられる現地の声を怒りをもって伝えたのです。それらは「民間人二千人が死んだ」(十一月十八日付)「米軍の攻撃は続いている」(十一月三十日付)など、数々のスクープにつながりました。

 自衛隊が駐留するサマワの弁護士との電話インタビューで住民の感情を伝えました。

 カイロ支局がイラク全土に作り上げた取材源ネットワークは宗教者、学者、弁護士、ジャーナリスト、評論家、労働者や運転手、主婦まで数十人にのぼります。このなかにはアラブの有数のニューステレビ局アルジャジーラの常連コメンテーターもいます。カイロ支局は日夜、これらの人々から情報を集め、侵略戦争と不法占領の実態を報道しています。

 「この戦争を一貫して侵略だと書いているのは赤旗だけだ」。ジャーナリストの本多勝一さんはこう書いて、戦争の本質に迫らない一般マスコミの姿勢を批判しています。イラク攻撃は国連憲章に反した違法な侵略戦争です。「しんぶん赤旗」は卑劣なテロととも無法な侵略戦争・占領の実態に迫り、告発していきます。

 外信部長・田中靖宏


「憲法九条守れ」の熱気伝え

“頼もしい 皆のより所”

写真

「しんぶん赤旗」に連載した「まるごと!?考えよう日本国憲法」を紙芝居にした東京・杉並区の奥川さん

 「電車のなかで読んで涙をとめるのに苦労した」――。

 「『九条の会』講演会 なぜ人々は集まるのか」を特集した四日付三面の記事に寄せられた感想です。大阪、京都、仙台、札幌、那覇と各地で、文字通り「あふれるほどの集まり」となった「九条の会」講演会。取材をする側も、勇気と感動をもらいました。その気持ちや会場の熱気を少しでも伝えられたら、と各地方総局、県記者の協力も得てまとめました。

 全国紙やテレビがほとんど「九条の会」を無視するなかで、「しんぶん赤旗」は講演会の熱気と感動をくまなく伝えてきました。最近になって、講演会を沖縄地元紙が一面トップで報道したり、北海道新聞も一週間後特集記事を掲載するなど、変化もうまれていますが、「赤旗」はこれからも草の根から広がる憲法九条守れの声を伝えていきたいと思います。

 「発言 2004憲法」や「いま憲法9条を 宗教者は語る」は、多彩な登場人物、豊かな語り口で好評です。登場していただいた山北宣久・日本基督教団総会議長は「赤旗が宗教者の声をとりあげているのは、たいへんありがたいし、たのもしい。いまはわれわれみんなのよりどころだ」と語ってくれました。

 連載「まるごと!?考えよう 日本国憲法」も、「学習会に使っている」「わかりやすい」「楽しみに読んでいる」と評判を呼んでいます。

 東京・杉並区の奥川礼三さんは、連載の第一部を紙芝居にして普及しています。

 今後、第四部「人権について」、第五部「国のあり方について」を掲載する予定です。

 政治部副部長・藤田健


中越大震災、一日も欠かさず

被災者の声届け続け

 新潟県中越地震からまもなく二カ月。「赤旗」は直後から今日まで一日も欠かすことなく、被災地の実情、被災者の声・要望を伝えつづけてきました。いま、地元紙をのぞき、全国版で連日、被災地の記事を載せつづける全国紙はほかにありません。

 本紙の震災報道の大きな特徴は、(1)被災住民の立場で問題解決の方向をさぐるとともに、(2)全国からの救援ボランティアの活動や、被災地住民との感動的な交流を生き生きと伝え、住民を激励する――ことです。

 被災地では、いま住宅の被害認定をめぐり、大きな問題が生じています。被害認定は全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊と分かれます。認定で圧倒的に多いのは一部損壊です。一部損壊の場合、災害救助法にもとづく応急修理制度の対象外です。住居を直すのに公的支援はありません。しかし、外観上、一部損壊と判定されても基礎部分が破壊されているなど訴えが続出しています。

 日本共産党の全国救援センターにはそうした相談が多くよせられ、センターは行政に再調査をしてもらうよう住民に助言しています。このなかで判定が変わったケースもかなり出ています。この事実を大きく報道する本紙記事が「役に立つ」と住民によく読まれています。

 また、救援センターのボランティアの活動を伝える紙面には「感動しました」「私も役に立ちたい」などの声が寄せられ、支援の輪が全国に大きく広がっています。

 日本共産党全国救援センターの「『赤旗』お届け隊」は避難所閉鎖の日まで、長岡市内の避難所に日刊紙と日曜版を届けてきました。情報の少ない避難所。貴重な情報源でした。住民からは「分かりやすい。震災についてしっかりとりあげてくれているからよく読んでいる」という声がよせられています。

 社会部副部長・栗田敏夫


他にない特徴こんなに

 「しんぶん赤旗」には、他のマスメディアにはない特徴が、たくさんあります。

大企業からの広告に頼らず

 紙面を広げてまず気がつくのは、政府が提供する広報や大企業の広告は載せていないことでしょう。だからこそ、「しんぶん赤旗」は、ときの政府にも大企業にも遠慮しないで、国民の立場に立った報道や論評ができます。

 三菱自動車の欠陥問題を他のメディアに先駆けて問題にしたのも「しんぶん赤旗」です。大銀行の再編問題を取り上げた「どこへ行く銀行」と題した最近の連載(八日付から四回)も評判を呼びました。

 しかも「しんぶん赤旗」は広告の分量が少ないので、ニュースや解説に多くの紙面を割くことができます。三十ページ以上で発行している一般紙は、ほぼ半分が広告です。「しんぶん赤旗」は毎日十六ページで発行していますが、広告が少ないので、ほとんど一般紙と変わらない記事量を確保できている計算です。

「です、ます」で親しみやすく

 「しんぶん赤旗」の文章は、語尾が「です」「ます」で終わる、「です、ます」体です。これは「しんぶん赤旗」だけの特徴で、他の新聞は「である」体を基本にしています。

 「しんぶん赤旗」が全面的に「です、ます」体を採用したのは一九六五年の元日付からです。紙面をもっと分かりやすく、親しみやすいものにするのが目的でした。

 「しんぶん赤旗」以外、「です、ます」体を全面的に採用した一般新聞はまだありませんが、専門家からは、「です、ます」体採用は「一つの見識」であり、「大勢としては…話し言葉へと変わってゆく」との指摘もあります。

犯罪の報道は原則匿名です

 犯罪の報道にともなって、被害者や加害者のプライバシーが大きな問題になっていますが、「しんぶん赤旗」は十数年前から、一般刑事事件の報道は原則として匿名でおこなうという方針を貫いています。

 日本のマスメディアでは、場合によって匿名にすることはあっても、原則は実名報道です。もちろん「しんぶん赤旗」も、政財官界の汚職・腐敗や権力犯罪、企業犯罪などについては、実名で報道します。

 「しんぶん赤旗」のこの方針は、関係者とその家族の人権を守るとともに、権力をチェックするという、ジャーナリズム本来の立場に立ったものです。



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