日本共産党

2004年12月15日(水)「しんぶん赤旗」

拉致問題真相解明

「特殊機関が壁」と外務省

「正面からメス入れられる相手と強力な交渉を」

参院特別委 緒方議員が要求


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質問する緒方議員=14日、参院拉致問題特別委員会

 北朝鮮が提供した拉致被害者・横田めぐみさんの「遺骨」が別人のものであったことを受け、参院拉致特別委員会が十四日開かれ、日本共産党の緒方靖夫議員が質問に立ちました。緒方氏は、拉致問題の真相解明で北朝鮮の「特殊機関」が障害となっていることをあげ、「小泉首相再訪朝(五月二十二日)のさいの金正日氏(国防委員長)の『安否不明者の再調査を白紙に戻して徹底的に行う』という約束が果たされていないのではないか」とただしました。

細田長官 「強く事実求めていく」

 細田博之官房長官は、「一国を代表する人が約束をし、その通りやっていないのだから、先方政府あるいは責任者にたいして強く事実を求めていく。これしかない」と答えました。

 緒方氏は、この間の日朝実務者協議で、北朝鮮側の担当者が「特殊機関の関与した事案であり、捜査が極めて難しかった」(再調査を担当した「調査委員会」責任者のジン・イルボ人民保安省局長)などとくりかえし発言していることをあげ、政府が北朝鮮側から「特殊機関」についてどういう説明を受けているのかを質問。横田めぐみさんの「夫」とされるキム・チョルジュン氏が、現役の特殊機関工作員であることを理由にDNA鑑定のための資料提供や写真撮影を拒んだこともあげ、「『特殊機関』がいかに調査に非協力的な存在であるかが示されている」として、見解をただしました。

 外務省の藪中三十二アジア大洋州局長は、「特殊機関」について北朝鮮側から具体的な回答は得られていないことを認め、「(特殊機関が)真実の追究に非常に大きな壁、難しさを提供している」と言明。また、〇二年の日朝首脳会談で金正日氏が拉致実行犯として言及した特殊機関について「(現在も)存在している。廃止されたことはない」とのべました。

 緒方氏は、特殊機関が調査の「壁」をつくる現状は、「(拉致を引き起こした)特殊機関の妄動主義がいまも続いており、真相解明を妨げる役割を果たしているということだ」と指摘。「特殊機関を相手に調査をする以上、これまでと同じやり方で協議を続けても解明と解決の保証はない。拉致問題に正面からメスを入れることができる相手と強力な交渉を進めることが必要だ」と求めました。

 さらに九日の党首会談で志位和夫委員長が小泉首相に提起した「北朝鮮側の交渉担当者を、拉致問題の全ぼうを知り、問題解決に責任を負うことができ、権限を持った人物とする」ことを北朝鮮側に要求するという方向で、「交渉の仕掛けをかえて、事態の打開をはかる必要がある」と強調しました。



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