日本共産党

2004年12月10日(金)「しんぶん赤旗」

「いつまで兵役延長が続くのか」

米国防長官に米兵不満

クウェート


 【ワシントン=浜谷浩司】米軍部隊激励のため八日にクウェートを訪れたラムズフェルド米国防長官が、米兵から次々と厳しい質問を浴びました。イラク情勢の悪化を反映し、いつまで兵役延長が続くのか、装備が不十分だ、などの強い不満の声が兵士の口から相次ぎました。

 ある女性兵士は、自分が兵役延長措置を受けていると述べた上で、「いつまでこの制度を続けるのか」と質問。ラムズフェルド長官は、同制度は「健全な規則であり、十分理解されている」として、当分の間維持されるとの考えを示しました。

 米軍はイラク戦争に必要な兵員を満たすため、志願兵の兵役を個別に延長する措置をとり、命令を受けた兵士はその間除隊できません。

 しかし、意思に反して兵役を延長されることには反発が広がっており、六日には八人の兵士が同長官を相手取って、制度の撤廃を求める訴えを裁判所に起こしたばかり。八人のうち五人はイラクに、二人はクウェートにそれぞれ駐留しており、残る一人はいったんイラクから帰国したものの、再度の派遣命令を受けています。

 来年一月のイラク暫定国民議会選挙後の米軍の役割を問う質問には、「選挙後は多国籍軍は削減されるだろうが、現場の状況次第だ」とあいまいな回答。相次ぐ質問に「落ち着いてほしい。私は年寄りで、まだ早朝だ。いま頭を整理中だ」と質問をかわすのに精いっぱいになる場面もありました。

 米国内で大きな反響を呼んだのは、兵員輸送車両に爆弾攻撃を防ぐ装甲がなく、現地の兵士は防弾ガラスの破片や鉄くずなどの廃棄物まで使って補修しているが、なぜ必要な材料がないのかという質問。兵士から一斉に拍手と歓声が起き、ぶぜんとした同長官は、「いまある軍で戦争しているのだ」と開き直るように答えました。

 道路に仕掛けられた爆発物による攻撃で米兵の犠牲が増える中で、車両の装甲問題は以前から指摘されてきたもの。それだけに、同長官の姿勢には議員やマスコミからも批判が出ています。



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