日本共産党

2004年12月2日(木)「しんぶん赤旗」

米国防長官らを告発

イラク収容所での米軍の拷問

米人権団体“重大な国際法違反”

独検察庁に


 【ベルリン=片岡正明】米国の人権団体「憲法的権利のためのセンター」(CCR)とイラク人四人は十一月三十日、イラクのアブグレイブ収容所での米軍の拷問・虐待が重大な国際法違反だとしてドイツのカールスルーエにある独連邦検察庁にラムズフェルド米国防長官らを告発しました。

 CCRは、米国が国際刑事裁判所に未加盟で、イラクの法廷もこの犯罪を裁く状況にないとしてドイツで訴えたもの。ドイツでは二〇〇二年、国際法上の重要な犯罪や戦争犯罪についてはドイツ国外で行われたものであっても刑事責任を問うことができるとの法律、「国際法違反の犯罪を問う刑法」ができました。

 CCRは、イラクの収容所での収容者への性的、肉体的虐待がこの規定にあてはまるとしています。告発した四人のイラク人はいずれも虐待を受けた被害者で、ラムズフェルド国防長官のほか、テネット米中央情報局(CIA)前長官、サンチェス中将(イラク駐留米軍司令官)ほか七人が訴えられています。

 CCRのラトナー氏は「収容所での恐るべき犯罪を米国が真剣に裁こうとしないのは恥ずべきことだ。ラムズフェルド氏をはじめ政治的、軍事的指導者は捜査されるべきだ」と述べました。イラク収容所での拷問・虐待事件では、米軍兵士のみが責任を問われ、米軍上層部や政治家には追及が及んでいません。独連邦検察庁は告発を受け、この件で捜査するかどうかの検討に入りました。



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