日本共産党

2004年12月2日(木)「しんぶん赤旗」

「九条の会」6回目の講演会 憲法守れのうねり

沖縄で2000人集う

「九条は戦争への留め金」


 七月の発足記念講演会(東京)の後、大阪、京都、仙台、札幌と、これまでのべ一万五千人以上が参加してきた「九条の会」地方講演会。年内最後、六回目となる講演会が一日、那覇市民会館で開かれ、超満員となる二千人が参加。憲法を守り生かそうという大きなうねりが草の根から起きていることを示しました。「九条の会」の大江健三郎、奥平康弘、小田実の三氏が講演しました。


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立すいの余地もないほど満員の会場で熱心に3氏の話に聞き入る人たち=1日、那覇市

 開場時間の一時間以上前から行列ができ、遠く与那国島、宮古島、八重山などから船や飛行機で参加した人も。高校生、大学生など若い参加者も目立ち、米軍ヘリ墜落事故が起きた沖縄国際大学の女子学生(20)は「事故を通じて、平和と憲法の問題を考えたいと思い参加した」と語っていました。現地では、沖縄県憲法普及協議会、科学者会議などが「『九条の会』沖縄講演を成功させる会」をつくり、運営しました。

 小田氏は、「今日来ている若い、戦争を知らない人たちにも知ってほしい」と呼びかけ。「一国の憲法という形をとっているが世界的意義を持つ憲法だ」と訴えました。

 奥平氏は、「九条の改憲は、憲法のもとでの平和文化や人権を尊ぶ人々の意識にまで手をつけるものだ」と批判。改憲勢力の背後に、ブッシュ的大国主義の亜流があると指摘しました。

 大江氏は、「九条の平和への『希求』という言葉は、戦争で死んだ人々への思いを背景にして生まれた倫理的表現であり、九条を放棄することはそういう倫理的態度の放棄だ」と指摘。「九条は戦争にたいする留め金の役割を果たしてきた。日本人の、市民の実力を示すために、今踏みとどまろうじゃありませんか」と語りかけました。

 インターネットで講演会を調べてきたという大学院生の古謝朋恵さん(24)は「三人の方がそれぞれの人生経験を踏まえたなかから憲法をどう思っているのか、話してくれて勉強になった。法律を学ぶものとして、憲法を守っていきたいと思った」と語っていました。



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