日本共産党

2004年11月29日(月)「しんぶん赤旗」

ジャガー工場 閉鎖するな

英国でデモ 親会社の米フォードに抗議

1150人解雇は周辺にも影響


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ジャガー車を先頭にした工場閉鎖反対のデモ行進=27日、コベントリー(西尾正哉撮影)

 【コベントリー(英中部)=西尾正哉】英高級乗用車ジャガーの工場労働者ら二千人は二十七日、工場閉鎖計画に反対してコベントリー市内をデモ行進し集会を開きました。ジャガー車が先導したデモは交通博物館前の広場を出発。市内中心部を通り市庁舎前広場に到着、集会に移りました。コベントリー工場の労働者のほか、英国内の他のジャガー工場の労働者も参加。家族での参加者も目立ちました。

 集会には、コベントリー市長や地元選出の下院議員のほか、英労働組合会議(TUC)のバーバー書記長が出席。運輸一般(TGWU)のトニー・ウッドリー書記長、製造労働者を組織するアミカスのシンプソン書記長などが演説しました。

 ジャガーの親会社米フォードは今年九月、ジャガーの米国での販売不振などから赤字を生み出しているとして、英国にある三つのジャガー工場のうちコベントリーのブラウンズレーン工場を閉鎖すると発表しました。

 労働組合は、千百五十人の解雇につながる閉鎖が協議もなく打ち出されたことに反発。労働党政権もフォード社に対し協議の席に着くように指導するなど異例の姿勢をみせました。労働組合は二十九日、ストライキ権確立の投票を始めます。

 集会でシンプソン書記長は「たたかいはジャガーの将来のすべてがかかったものだ」と強調。「英国の労働関係法は労働者を保護せず、雇用者が好きなように解雇できるものだが、たたかわなければもっと容易に解雇が行われるようになる」と述べました。

 ウッドリー書記長は、コベントリー工場が閉鎖されれば周辺の関連労働者にも影響が及ぶと指摘し、労働者にたたかいを呼びかけました。

 デモの先頭で行進した塗装部門で働くハールストン氏は「ジャガーで三十一年働いてきた。コベントリーの若い世代のためにも工場を閉鎖させてはならない。フォードは正当な理由もなく米国の株主の機嫌を取るために工場を閉鎖しようとしている。許せない」と厳しく批判しました。

 コベントリーは工業都市としての伝統があり、自動車産業は重要な部門です。市内にある交通博物館には同市で製造されるジャガーをはじめとして各種の車が誇らしげに展示されています。



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