日本共産党

2004年11月26日(金)「しんぶん赤旗」

佐渡 観光に打撃

新潟中越地震

待たれる新幹線、高速道復旧

冬越せる資金ほしい


 新潟県中越地震で観光業に大きな被害が出ていますが、地震の直接被害がなかった観光地・佐渡市でも宿泊のキャンセルが相次ぎ、旅館や関連業者に深刻な事態が起きています。新潟県・村上雲雄記者

キャンセル2万6000人

 「地震が起きた十月二十三日と二十四日はキャンセルの電話が鳴りやまなかった。そのあとの余震で今年の予約はほとんどなくなってしまった。新幹線、佐渡汽船、宿泊がセットになった格安の『佐渡冬紀行』のパック商品が倉庫に眠った状態だ」。こう語るのは、佐渡観光旅館連盟会長で国際観光ホテル「八幡館」の河村多克支配人です。

 中越地震でのキャンセルは、同連盟加盟の三十七軒で合わせて約二万六千人に及びました。

 影響額は四億四千万円にのぼるとみられています。

 佐渡市観光協会会長の高野宏一郎佐渡市長は、地震の直接被害はなく、お客の受け入れで支障はないので特段の配慮を要望する文書を旅行あっせん業者に送付。同連盟は、旅館のおかみさん五十人が東京で誘客の宣伝活動をしたり、新幹線・高速道の早期復旧を働きかけ、制度融資、固定資産税の軽減、宣伝活動を求める嘆願書を市議会に提出しました。

 河村会長は「佐渡は安全だが、早く余震の安全宣言が出てほしい。冬の時期は食材がおいしい時期で、宿泊料金も通常の半額に近い値段なので、ぜひ旅行に訪れてほしい」と訴えています。

 「旅館は金がないと、この冬は越せない。無担保・無保証、低利の融資がほしい」というのはホテル東宝の橋本弘社長。「せめて回復するまでの数年間、多くの旅館が税を軽減される制度があっていいと思う」と訴えました。

 市議会の観光問題等調査特別委員でもある日本共産党の中村良夫市議は、観光関連業者をまわり、実情や要望を聞いています。

 両津観光協会と佐渡観光総合案内所の事務局長を兼ねる加藤透さんは「宿泊のキャンセルで旅館のパート従業員が解雇されたり、漁業で魚がだぶつき単価も下がるなど影響は計り知れない。これからは寒ブリが脂がのりおいしく、甘エビの味も一番。誘客、融資、税の軽減は切実です。尽力をお願いします」と同市議に訴えました。



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