日本共産党

2004年11月23日(火)「しんぶん赤旗」

いつまでもこの地に…

新潟・魚沼市竜光地区 住宅再建へ苦闘続く


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新潟県魚沼市竜光の住民から被害状況を聞く、日本共産党の川俣幸雄新潟県制作委員長(右端)、大屋角政(右から2人目)、住安孝夫魚沼市議(左端)
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竜光地区の田畑のなかのテント

 芋川沿いに、土石流を防ぐための土のうが並ぶ新潟県魚沼市竜光地区(旧堀之内町)。中越地震では、百一世帯のうち約三十軒が大規模半壊し、裏山の土砂が各所で崩れ落ちました。住宅再建へ住民の苦闘が続いています。

 竜光地区では、山古志村の芋川流域にできたせきとめ湖の決壊で土石流に襲われる危険があり、十月三十日から九日まで全住民に避難勧告がだされました。

 せき止め湖の排水ポンプ、センサー設置が完了し、急激な水位上昇は考えにくいとして避難勧告は解除されました。住民が家に戻っても、立ち入り危険や注意を示す「赤紙」や「黄紙」が張られています。

 芋川左岸に住む須田光則さん(39)の家は、土台に亀裂が入り、壁のほとんどが崩れ落ちました。建て直さなければ住むことはできない状態です。

 「三カ所の避難場所が指定されたが、土石流がきたら逃げろといっても…。土石流の危険度が一番高いのは、雪解けの時期。いつまでも住みつづけたいが、家を建て替えるか、移るか判断できない」。いま、母、妻、子ども三人と妻の実家に身をよせています。「どちらにしても、個人の住宅を再建するために国や県の手厚い支援が必要です。所得制限とか、なくしてほしい」

 下村智子さん(72)の家では、地震で裏山が崩れ、土砂が庭先まで迫りました。いまも、お金を入れたリュックサックをそばに置き、パジャマの上に厚い着物を着て、「いつでも飛び出せるように」寝ています。

 下村誠さん(57)は、自宅のすぐ前の土地で、自衛隊から貸与されたテントで妻と過ごしています。家には、所々にブルーシートがかけられ、裏の作業小屋は全壊しました。「雪が降る前になんとか住めるようにしたい」。片づけと修復に必死の毎日です。

 「土石流対策や被災者の生活、住宅を再建する支援策が遅れたら四百年続いたこの村も集団移転になりかねない。解体費用や住宅再建の全面的支援など、国や県、市は、被災者のいうことをとりいれ、元の生活に戻れるよう一日でも早く手を打つべきだ」

 石渡博明記者



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