日本共産党

2004年11月23日(火)「しんぶん赤旗」

「愛」と「大切」


 自民、公明の与党がすすめる教育基本法改悪の動きは、文科省による改悪法の案文づくりが、大詰めを迎えています。

 〇…両党の協議での“不一致”点は、教育の目標に「郷土と国を愛し」と記述する自民党案にたいし、公明党が「…大切にし」と言い換えるよう求めていることです。公明党によれば、「『愛する』という個人の主観的な営みを、権力による強制力を伴う法律で規定することは、…『内心の自由』を侵害することにつながりかね」ない(公明新聞九月二十七日付「主張」)のだそうです。「愛する」はだめだが、「大切にする」ならいいと。

 〇…「御大切(おたいせつ)」という言葉があります。「(キリシタン用語)愛」(『広辞苑』)。十六世紀のキリスト教伝来のさい、スペイン人宣教師たちが編み出した「アモール(愛)」の訳語です。

 宣教師たちは「愛」をどう訳すか、ほとほと困りました。当時の日本では「愛」は不義であり、よこしまなもの。そこで「大切に思う」という意の「御大切」という言葉をあて、神の愛は「デウスの御大切」、キリストの愛は「キリシトの御大切」としました。たしかに愛すればこそ大切にするわけで、「愛」を「大切」としても、同じことです。

 〇…四百年あまり昔の宣教師たちの工夫は、異なる文化の出合いで、無用な衝突を避けるための知恵だったといえるでしょう。しかし、公明党の言い換えは、結局、内心の自由を侵す「愛国心」教育を押し付けることになる、悪知恵としか思えません。(竹)



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