日本共産党

2004年11月19日(金)「しんぶん赤旗」

米軍のファルージャ総攻撃

あらゆる抵抗を圧殺

スンニ派で選挙ボイコットの動き


 イラク駐留米軍がイラク暫定政府の治安部隊を引き連れて八日から開始したファルージャ総攻撃は一般市民数千人の死者と多大な負傷者を出しました。ブッシュ米政権はこの作戦をテロリスト一掃と一月のイラク総選挙準備のためなどとしてきましたが、米主導の占領に歯向かうファルージャをはじめとするイラク人の抵抗を圧殺することであったことがいっそう鮮明になっています。


 ファルージャはバグダッドから西に約五十キロ、人口約三十万人のユーフラテス川沿いの中継都市。ここでは米軍などによる昨年四月の占領開始以来、激しい抵抗闘争が展開されてきました。

人々は庭先で食べ物あさる

 米軍は、国連のアナン事務総長の攻撃回避を求める書簡をも無視して、海兵隊を主力に約一万人、イラク治安部隊約三千人を総攻撃に投入。AC130攻撃機や武装ヘリなど最新兵器を使って猛爆を加え、制圧地域ではすべてのモスク(イスラム教礼拝所)を破壊し、無差別の家宅捜索や掃討作戦を実施しました。その結果は―。

 野良犬が遺体に食らいつき、人々は庭先で食べ物をあさっている。生き残っている者はやせ衰え、遺体は肥大し腐敗している―。英BBC(電子版)は十六日、ファルージャのジャーナリスト、ファディル・バドラーニ氏の証言を伝えました。

 米軍は、攻撃開始に当たり情報統制のためファルージャの西端にある総合病院を占拠。このため正確な死傷者数は外部に伝わっていません。しかし、ファディル氏は、本紙カイロ支局の取材に十七日、「民間人の死者は少なくとも二千人に達した」と述べています。七百人が死亡した四月の米軍包囲作戦の死者の三倍近くに達しています。

 この軍事作戦では負傷した無抵抗のイラク人を米海兵隊員が射殺するという事件も発覚しました。

 こうした蛮行は、情報統制の下で行われている虐殺の一端にすぎません。総攻撃後初めて総合病院に到着したイラク赤新月社(赤十字社に相当)のアバディ報道官は十三日、「壊滅的な状況だ」と述べています。

 ファルージャ作戦での米国の口実はテロリスト一掃でした。しかし、米国が賞金を付けて探索していたテロ組織「イラクの聖戦アルカイダ組織」のヨルダン出身のザルカウィ幹部は作戦開始以前から同市にいなかったともいわれていました。駐留米軍のメッツ司令官は早くも作戦開始の翌九日に「(ザルカウィ幹部は)すでに脱出した可能性がある」と述べています。激烈な軍事攻撃はその後も続きました。

 暫定政府高官は十六日、千六百人を殺害し、千人を拘束したと述べています。これらがすべて武装勢力に属するのか、一般の市民が含まれているのかは分かりません。

 米軍はこうした「成果」がイラクの安定につながるかのように宣伝しています。しかし、実際は逆です。

 ファルージャ作戦が展開されている中で、ラマディなどの「スンニ派三角地帯」やモスルなどイラク北部でも武力抵抗が展開されました。モスルでは武装勢力が市の南西部を一時支配下に置き、米軍が鎮圧のためファルージャから部隊を移動させざるを得ませんでした。

全国的な抵抗さらに激化

 全国的な占領への抵抗はさらに激化する勢いです。米紙ニューヨーク・タイムズ十八日付が報じた米海兵隊の機密報告によると、当事者の海兵隊でさえ、抵抗勢力は今後増大するとみています。

 一方、米軍がイラクでテロを行っているとする十一組織は十三日までに、「ファルージャのイスラム教徒虐殺に対抗し、戦闘をイラク全土に拡大させる」と宣言しています(ロイター通信)。

 ファルージャ作戦は米軍とこれに協力する暫定政府へのイラク国民の不信と怒りを広げました。

 スンニ派の有力組織、イスラム聖職者協会は九日、「大虐殺、集団殺りくの戦争」と攻撃を非難し、選挙のボイコットを決めました。イスラム教スンニ派の有力政党イラク・イスラム党が暫定政府から離脱するなど、暫定政府への批判も強まっています。

 「侵略者よ、ファルージャから手をひけ」―。バグダッドのアルカレシヤ大学で九日、イスラム教のスンニ派、シーア派、各部族の共同の抗議集会が開かれました。米軍のファルージャ総攻撃を機に、これに抗議する声がイラク内外で強まっています。

 小泉首相はファルージャ総攻撃を「成功させなければならない」と述べて全面支持しました。これは、米軍による住民殺りくを支持したものです。イラク国民の不信を買い、イラク復興を妨害するものにほかなりません。

 岡崎衆史記者



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp