日本共産党

2004年11月10日(水)「しんぶん赤旗」

帝国主義の見方の新たな発展って?


 〈問い〉 日本共産党の綱領改定で、帝国主義の見方について、レーニンとはちがう、新たな発展があったということですが、どう変わったのですか?(埼玉・一読者)

 〈答え〉 ことし一月に開いた第23回党大会で注目された一つが、帝国主義についての見方の新たな発展の問題でした。

 20世紀後半、世界的に植民地体制が崩壊し、植民地支配を許さない国際秩序が生まれました。20世紀初頭、レーニンは、地球の領土的分割が完了したことを、帝国主義時代の始まりの画期としましたが、領土的分割のもとになる植民地そのものがなくなる変化が進行したのです。独占資本主義は、独占体(巨大企業集団)に固有の拡張欲とかそれを基盤にした侵略性とか、そういう性格や傾向を当然もっています。しかし、今日では、それらが、植民地支配とその拡大とか、それを争っての戦争などという形で現れるという条件はなくなったといえます。そういうときに、経済体制として独占資本主義の国だから、帝国主義国として性格づける、旧来の見方が妥当でしょうか。党大会では、この点の根本的再検討がおこなわれました。

 植民地体制の変化をふくむ現在の世界では、独占資本主義の国でも、帝国主義的でない政策や態度、つまり、非帝国主義的な政策や態度をとることは、ありえます。イラクにたいして先制攻撃戦争に踏み出したアメリカ、イギリスと、これに反対するフランス、ドイツが対立しましたが、これを帝国主義陣営内部の対立、矛盾と見てすまなくなっているところに、今日の変化があるのです。

 また、「帝国主義」という呼称にはその国が侵略的な政策をとり、帝国主義的な行為をおこなっていることにたいする政治的な告発が当然ふくまれます。ですから、ある国を帝国主義と呼ぶときには、その国が現実にとっている政策と行動を根拠にすべきであり、その国の政策と行動に侵略性が体系的に現れているときに、帝国主義と呼ぶ―これが政治的に適切な基準になるということです。(喜)

 〔2004・11・10(水)〕



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