日本共産党

2004年11月8日(月)「しんぶん赤旗」

列島だより

地域経済活性化に一役

「住宅リフォーム」支援

業者も住民も助かります


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住宅リフォーム助成などを求めて伊達議長と懇談する三次民主商工会の人たち

 不況にあえぐ中小業者を助け、地域経済を活性化させることを目的にした「住宅・店舗リフォーム制度」が各自治体で導入されています。業者と日本共産党が力をあわせて運動をすすめ、行政が動き出した結果ですが、制度の効果が出始めている茨城県常陸太田(ひたちおおた)市と、県内初めて導入された広島県三次(みよし)市の例を紹介します。


業者“仕事確保できる”

市の担当課も「評判いい」

茨城・常陸太田

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 茨城県常陸太田(ひたちおおた)市で二〇〇四年度から、「住宅リフォーム資金助成制度」が県北の市町村では初めて実現しました。

 長引く経済不況の影響などで受注が落ち込む市内の商工業の振興をはかることを目的にしています。市民が住宅のリフォームを市内の施工業者に発注する場合、十万円以上の工事を対象に、工事額百万円未満の場合は10%を、百万円以上は十万円を助成します。三カ年の期限付きですが、初年度の予算は五百万円でスタートしました。

 十月二十五日現在、申請件数四十八件、助成額は四百万円を超え、工事額は八千七百万円でその経済効果は二十一倍といわれています。

 市の担当課は「たいへん評判がいい。十二月議会(十二月一日に常陸太田市に一町二村が編入合併する予定)で増額補正する方向で調整していきたい」と話しています。

 ある大工さんは「仕事がないなどの暗い話題ばっかりだが、明るさや希望をもらった」としみじみと話し、ある業者は自社の広告にリフォーム制度を載せて制度を普及し、「仕事確保にも結びついた」と語り、業者間で話題になっています。

 また、建設業界や市民はもとより、家電、家具などの買い替えで波及効果があると、そのメリットを実感している販売店もおり、同制度は口コミで広がりつつあるようです。

 制度実現のために活動してきた民主商工会は市職員を講師に説明会を開くなど、制度の活用に力をいれ、他市町村にも広めようと運動を強めています。

 このリフォーム制度は日本共産党が日立民主商工会とともに、市に要望し、懇談を重ね、地域経済の活性化の運動と結びながら議会でもねばり強くとりあげてきたことで実を結びました。

 議会で最初にとりあげた四年前は、市側も「まだ県西の一市二町が導入した状況なので、ほかの市町村の動向をみる」という姿勢でした。

 その後、日本共産党が毎年議会でとりあげ、すでに実現している県西の古河市や龍ケ崎市の例をあげ、そのメリットや業者の切実な声を伝えながら実現を迫るなかで、市の姿勢も変わってきました。

 議会の定数は二十二、党派別は共産党一のほか、自民十五、公明一、無所属五ですが、住民の声や要求がなかなか通らないなかで、住宅リフォーム制度の導入で風穴を開けたことは大きな意義をもっています。

 日本共産党はさらに予算の増額や、助成対象を店舗・工場のリフォーム工事にも拡大するよう、市民や中小業者の人たちの要望も聞きながら、ともに奮闘することにしています。宇野隆子市議


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広島県内で初の導入

制度改善の課題も 共産党と民商が運動

広島・三次

 広島県三次(みよし)市で、地域経済の活性化策として、九月議会で「住宅リフォーム助成制度」の導入を決めました。県内では初めてです。正式には「住宅・店舗リフォーム資金補助事業」といいますが、補正予算が今年度(半年分)として三百三十万円を計上しました。補助金の額は事業に要した経費の百分の十に相当する額以内となっており、十万円が限度です。

 三次市は今年四月に八市町村(三次市、甲奴、三良坂、吉舎、三和各町、君田、布野、作木各村)が合併し、新しい市としてスタートしました。

 県内の自治体に先駆けて、この制度の実現へ動き出したきっかけは合併にともなって行われた市長選と市議選でした。

 日本共産党が選挙公約に「住宅リフォーム制度の実現」をかかげて奮闘、また、小零細業者の仕事確保につなげようと、「小規模修繕工事等業者登録制度」の実施を求めて運動していた地元の三次民主商工会が市長選の二人の候補者と、この問題で懇談し、いずれも前向きの姿勢を示し、経済効果をより積極的に認める回答をした現市長の吉岡広小路氏が当選したことも、この制度実現の弾みとなりました。

 選挙後の六月議会に向けて、三次民主商工会が地域経済の振興と市内の中小建設業者の営業を守るため、(1)住宅リフォーム助成制度(2)小規模修繕工事等業者登録制度―の実施を求める請願書を市議会に提出、日本共産党もこの活動に協力し、署名運動もすすめてきました。そうした運動もあって、今回の制度実現となりました。

 しかし、店舗のリフォームも対象になったことから、この補助事業を三次商工会議所に業務委託、そのため、業務委託契約や市民の周知などに手間どり、申請受け付け開始が遅れ、今月二十二日ごろになりました。

 行政の主体性がなく、市民の立場にたった運営が弱く、こんごの改善策として、市内に主たる事業所を置く業者に限定するなどの課題が残されています。日本共産党は地域経済を活性化させるためにも、ひきつづき制度の改善をめざして奮闘することにしています。須山敏夫市議



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