日本共産党

2004年11月6日(土)「しんぶん赤旗」

叙位・叙勲、褒章 どう考える?


 〈問い〉 叙位・叙勲、褒章は、どんな基準で、だれが選定しているのですか。というのは、公平な気がしないからです。日本共産党はどう考えていますか?(神奈川 一読者)

 〈答え〉 叙位、叙勲、褒(ほう)章の基準は「勲章の授与基準」の閣議決定によります。各省庁が、都道府県・市町村・関連団体などに推薦を求め、それを内閣府賞勲局や民間人10人で構成する「栄典に関する有識者会議」が審査、さらに内閣官房長官、内閣法制局長官、内閣府副大臣の「叙勲等審査会議」で検討し、最終的に閣議で受章者を決定しています。

 この決定過程自体が、従来から、「業績より地位や肩書きを重視する」「中央省庁推薦という不透明な選考システム」「民より官優位の選考」などと批判されており、これまで作家の大江健三郎さんや女優の杉村春子さんが文化勲章を辞退して話題になったことがあります。

 叙勲制度は、1875年の太政官布告「勲章従軍記章制定ノ件」に始まり、戦前は爵・位階・褒章とともに天皇から与えられる恩典で、さまざまな特権を付与。天皇の命令による戦争で活躍することを、最高の名誉と考えるように国民をしむける役割を果たしました。

 第二次世界大戦後、軍国主義の一掃、政治・社会の民主化の要求が高まり、文化勲章など一部を除き、生存者への叙位・叙勲は停止(1946年)されました。ところが、自民党政府は、戦前の「栄典」制度の復活をすすめ、1964年、生存者叙勲制度を、名称も戦前そのままに復活させたのです。

 日本共産党は、社会の進歩と発展に重要な貢献をした人にたいし、国として公正な基準にもとづいて一定の「章」を授与することを否定していません。

 しかし、戦前を実質的にひきつぐ現在の叙勲制度をそのまま認めることはできません。ですから、党所属の国会議員とその経験者にたいする叙勲の申し出にたいしては、辞退することを表明してきました。(尚)

〔2004・11・6(土)〕



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