2004年11月5日(金)「しんぶん赤旗」
![]() |
米軍ヘリ墜落事故を機に米軍基地撤去を求める声が高まっている沖縄県で「2004年日本のうたごえ祭典inおきなわ」が二十日から、八月に事故のあった宜野湾市を中心に開かれます。“いのち輝く平和な世紀をめざし、人間らしく生きる喜び、明日への希望を多くの人々とともに歌いあげる”を基調に、沖縄県で初めての日本のうたごえ祭典です。
戦後、沖縄祖国復帰運動や沖縄戦をテーマに多くの歌が生まれ、うたごえ運動の歴史の一部を形づくってきました。イラクで戦火の続く中、全国から合唱団などが結集。反戦・平和、基地のない沖縄を求める創作曲など多彩なうたごえをひびかせます。
二十一日には、「大音楽会〈いちゃりばちょーでー〉」が沖縄コンベンションセンター大展示場(宜野湾市)で開かれます。“いちゃりばちょーでー”は沖縄の言葉で“出会えば兄弟”という意味。
![]() |
琉球古典音楽野村流伝統音楽協会の約七十人がオープニングで「龍落菅撹(たちうとぅしすがかち)」「四ツ竹踊り」の演奏で迎えると、池辺晋一郎さん指揮で全国から参加の一千人の「アメイジング・グレイス」合唱などが応えます。全国から親子、高齢者、障害者、保育、医療、教育などのうたごえが参加。沖縄内外からの参加者が歌い交わす音楽会です。ゲストには大工哲弘さん、きたがわてつさん、普天間かおりさんらが登場します。
二十一日の「アジアの風フェスティバル」は、うたごえを通してアジアから平和の流れを作ろうという企画。池辺晋一郎さんをコーディネーターに、韓国の金元中さん、中国の許可さん、ベトナムのビーチホーンさん、日本の普天間かおりさんが参加する国際的なプログラム。二十三日には、コーディネーターに小室等さんを迎え東京でも同様のプログラムで開かれます。
最終日「平和コンサートinよみたん」は、読谷村の基地撤去と村づくりのたたかいから学び、全国の平和のうたごえが交流します。読谷の子どもたちによる琉球舞踊、読谷小学校児童の知花かおりさんが平和を願う思いを込めて作った詩に岡田京子さんが曲をつけた「川の水よ 太陽よ」の朗読と合唱、「紫金草物語」の合唱。さらに、この間の全国で平和・沖縄をテーマに創作されたオリジナル曲の発表があります。
同実行委員会(電話)098(851)2250
![]() 歌劇「沖縄」 |
沖縄祖国復帰運動を描いた歌劇「沖縄」が二十二日夕の音楽会〈命どぅ宝〉で上演されます。
歌劇「沖縄」は、沖縄祖国復帰運動と結んで全国で上演され約十万人が鑑賞しました。今回は約五十分のハイライト版での上演となります。守屋博之さん指揮、ソロと歌劇「沖縄」合唱団による合唱形式です。
この音楽会では、作曲家池辺晋一郎さん指揮での合唱組曲「悪魔の飽食」の全曲演奏もあります。声楽家山田健さんのバリトン独唱や、琉球古典音楽安冨祖流絃声会による琉球歌舞も魅力です。