2004年11月4日(木)「しんぶん赤旗」
![]() 質問する大門実紀史議員=2日、参院財政金融委 ![]() |
日本共産党の大門実紀史議員は、二日の参院財政金融委員会で、日銀の利益(剰余金)から国庫に納付される国庫納付金が激減している問題をとりあげました。
国庫納付金は、二〇〇三年に四百七十二億円にまで急減。二年間で一兆三千四百億円も失われた勘定です。理由について、日銀の小林英三理事は、(1)資産運用の利回り減少(2)円高による外為差損(3)国債下落など、剰余金自体の減少を挙げました。
大門氏は、国債保有高を一九九七年の五十五兆円から今年十月の九十四兆円にまで大幅に増やしたことを指摘し、「国債購入を求める与党の圧力に譲歩してきたことが、巨額の評価損を生んだ」と批判しました。
大門氏は、日銀の自己資本比率維持のため、法定準備金の積立率を5%から15%に大幅に引き上げたことも原因だと指摘。背景には、“ゼロ金利”による“たんす預金”の増加など、自己資本比率の分母となる銀行券発行残高が膨らんだことがあると指摘しました。日銀の白川方明理事は「日銀の量的緩和の中で、分母の拡大が一因」とのべ、政府・与党の圧力による日銀の「量的緩和」政策が原因だと認めました。
大門議員は、「日銀が政府・与党の圧力に譲歩して、ズルズルと異常な量的緩和に踏み込んだことが一兆円を超えるマイナスを生んだ。しわ寄せが国民に押しつけられている」と批判しました。