日本共産党

2004年11月2日(火)「しんぶん赤旗」

イラク政府

ファルージャ住民に最後通告の脅し


 【カイロ=小泉大介】イラク暫定政府のアラウィ首相は十月三十一日、記者会見で中部ファルージャへの総攻撃を改めて警告しました。同首相は二十八日にもファルージャ住民にたいし、テロリスト引き渡しの「最後のチャンスだ」などと通告、翌日には米軍司令官が「攻撃は決定的なものになる」などと表明しており、事態は重大な局面に入っています。

 アラウィ首相は三十一日の会見で「われわれはファルージャ問題の解決にむけ、最後の段階に入った」「もし問題を平和的に解決できないなら、軍事行動しか選択肢はない。われわれはそれを重大な決意でおこなうだろう」などとのべました。

 ファルージャ住民代表はこれまで、暫定政府との停戦交渉に関し、米軍による攻撃が激化するもとではおこなえないとの立場を崩しておらず、住民も、政府がテロ首謀者として引き渡しを求めているザルカウィ氏の存在を否定しています。アラウィ首相は会見で「平和解決への窓は閉じかけている」とものべており、今回の首相発言はファルージャ住民の主張を踏まえた上での事実上の総攻撃宣言といえます。

 一方、ファルージャとともに米軍が総攻撃の対象としている中西部ラマディでは、同軍が三十一日までに部隊を二千人にまで増強し、武装勢力との間で激しい戦闘をおこなっています。同日には女性や子どもを含むイラク人十人が死亡、米海兵隊員三人を含む十五人が負傷しました。

 イラク中西部にたいする総攻撃態勢をとるなか、各地で混乱も増しており、中北部ティクリットでは三十一日夜、ホテルにたいする爆発攻撃が発生、イラク人十五人が死亡、八人が重傷を負いました。同日には南部バスラの英軍基地で同軍兵士一人の遺体が発見されました。



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