2004年11月1日(月)「しんぶん赤旗」
イスラエルからの報道によると、同国のテルアビブで三十日、ラビン元首相(労働党)暗殺九周年を記念する追悼集会が開かれ、主催者発表で約十万人が参加しました。
シャロン・リクード政権がパレスチナ自治区で大規模な軍事作戦を実施し犠牲者が相次ぐ中で開かれた同集会。参加者は、「暴力を停止し和平に向かおう」との集会スローガンを唱和しました。イスラエル国会が二十六日に承認したパレスチナ自治区ガザからの撤退案については、これを支持する発言も出ました。
シャロン政権の「対テロ戦争」を口実にした軍事作戦のうち、九月二十七日からのガザ攻撃では、九日間で約八十人のパレスチナ人が死亡するなど、住民の死者数が増大しています。また、ヨルダン川西岸で進める分離壁の建設によって、パレスチナ住民の仕事や生活のための移動が制限され、失業の増加など住民生活に破壊的な影響を及ぼしています。
ラビン元首相は、パレスチナ暫定自治のため一九九三年に結ばれた「オスロ合意」を首相として推進しましたが、九五年十一月四日、テルアビブでの平和集会でユダヤ教右派の青年に射殺されました。
一方、イスラエル放送によると、シャロン首相は三十一日の定例閣議で、フランスで入院治療中のアラファト・パレスチナ自治政府議長に代わる指導部ができた場合には、パレスチナ側との和平交渉を再開する用意があると表明しました。