日本共産党

2004年10月25日(月)「しんぶん赤旗」

米大統領選まで1週間

結果左右する11激戦州

注目のネーダー票の行方


写真

 十一月二日の投票日まで約一週間を残すだけとなった米大統領選。選挙結果を左右するのは、共和・民主両党候補が激しい接戦を繰り広げる次の十一の激戦州だとみられています。

 フロリダ、ペンシルベニア、オハイオ、ミシガン、ミネソタ、ウィスコンシン、アイオワ、コロラド、ネバダ、ニューメキシコ、ニューハンプシャー。

遊説を集中

 ニューヨーク・タイムズ紙によれば、選挙戦の最後の十日間に、共和党ブッシュ、民主党ケリーの両候補はいずれも、これら十一の「激戦州」に遊説を集中させることを決めました。

 米国の大統領選は、北東部のメーン、中西部のネブラスカの両州以外では、国民による一般投票で多数をとった候補者が、各州に割り当てられている大統領選挙人をすべて獲得できる「勝者独占」方式の間接選挙です。

 そのため、二大政党の票差が比較的歴然としているとされる州での選挙運動には力をいれず、票差が小さいと想定される州を重点選挙区として活動を集中させます。

色分け二分

 二〇〇〇年の前回選挙では、民主党が勝ったのは大西洋岸と太平洋岸の諸州、共和党は内陸部の諸州と、政党支持の色分けがくっきりと二分されました。

 最大州のカリフォルニア(選挙人五十五人)やニューヨーク(同三十一人)は民主党の州、テキサス(同三十四人)は共和党の州と「確定」しており、無風選挙区化しています。大統領選と同時に実施される連邦議会上下両院議員選挙でも、傾向は同じです。

 大統領選では、選挙人総数五百三十八人のうち、過半数の二百七十人以上を獲得すれば勝利となります。十一の激戦州の選挙人の合計は百三十五人。残りの三十九州と首都ワシントンDCの四百三人の選挙人は、ブッシュ、ケリー両候補の間で、ブッシュやや優位ながらも、ほぼ二分されているとみられています。

 激戦州でもイラク戦争は共通の論点。ただしオハイオでは経済・雇用問題、ペンシルべニアでは妊娠中絶や同性婚など、候補者が力を入れる争点は州により違いがあります。

9州で影響

 小差が予想されるだけに注目されているのが、無所属で立候補している市民運動家ネーダー氏の票の行方です。十一の激戦州のうちネーダー氏は、立候補が拒否されたペンシルべニア、オハイオ両州を除く九州で出馬しています。

 これらの州でネーダー氏の支持率は1―2%。前回のように緑の党の支持も得られず、二大政党の激突のなかで、同氏の得票率は前回の2・7%を下回ると推定されています。それでもブッシュ、ケリー両候補の差が各州で1―5%と誤差の範囲程度だけに、ネーダー票の影響が注視されています。

 前回の選挙では、開票結果でもめたフロリダ州でブッシュ氏が五百三十七票差で勝ったとされ、同氏の勝利が確定しました。同州でネーダー氏は九万八千票を獲得。民主党ゴア陣営は、「ネーダーに票が流れなければゴアが勝っていた」とネーダー氏を恨み続けてきました。坂口明記者



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp