日本共産党

2004年10月23日(土)「しんぶん赤旗」

畳ない部屋で正月か

泥の海 住民格闘

台風23号被害

共産党が調査、申入れ


京都・舞鶴市

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水につかり使えなくなった器具などを運び出すクリーニング店主=22日、京都府舞鶴市・真名井商店街

 京都府北部に深刻な被害をもたらした台風23号。通過から三日目の二十二日、通行止めだった舞鶴若狭道が、福井県の大飯高浜ICから綾部ジャンクションまで午後一時半に開通するなど、ライフラインが元通りになりつつあります。

 浸水被害が広がった舞鶴市では、泥水で汚れた家具や商品を洗う住民の姿が。とりわけ被害の大きかった西舞鶴の真名井商店街では「こういうときだからこそ、お客さんに役立ちたい」(八百屋を営む四十八歳の女性)と話すなど、営業を再開する店が目立ちました。

 しかし、商品が水につかり廃棄処分にせざるを得ないなど、営業再開のメドが立たない店も。行政が散布した消毒薬のにおいが充満するなか、一生懸命水で泥を洗っていたのは家電店を四十五年間夫婦で営んできたという坂明代さん(70)。「(商品の)大きなテレビも多分ダメ。市がごみ収集を頻繁に行ってくれるのは本当に助かる。ただ年なので、後片付けは、とても体にこたえます」

 クリーニング店を営む小谷達夫さん(62)は「もう営業再開はできない」と肩を落とします。お客から預かった衣類もほとんどが水につかり処分するほか、一台何百万円もする機器類が使えなくなりました。「高い保険料を払って保険をかけているので、損害はカバーできると思うが…」

 日本共産党舞鶴市議団は前日に続いて二十二日も、市中心部から離れた加佐地域などで被災した住民からの相談や要望に対応しています。

兵庫・城崎町

 中心街の六割が浸水した兵庫県城崎町の木下哲学、古池信幸両日本共産党町議は二十二日、被害状況の調査と住民の要望をきき、行政への申し入れなどを行いました。

 木下議員は、自身の自宅が浸水したものの、一人住まいの高齢者の家などを一軒一軒回り、水にぬれた畳をあげたり泥を運び出すなど、住民とともに復旧作業に取り組みました。

 古池議員は小学校や中学校などの避難所を訪問し、住民の健康状況や要望をききました。町営住宅の住民からは、屋根の修理や汚れた畳を替えてほしいなどの要望をきき、町に申し入れました。

 党議員団は、復旧のために大量に使った町民の水道料金や水に埋まったトイレのくみ取り料金の減免措置などについても町に要請する予定です。

レタス収量 昨年の45%

茨城・三和町

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水没した白菜畑を調査する生産者と農協職員、茨城農民連=22日、茨城県三和町

 茨城県三和町では台風の浸水・冠水でレタス、白菜、キャベツの被害が深刻です。県農業経済課によると、台風22号と23号による県内の農業被害は推定四十一億六千六百万円といいます。

 たまった水をポンプ三台でくみ出していた白菜畑では、地元のむつみ農協職員、東北の市場関係者が被害状況を見に来ていました。

 農家の男性は「畑が乾くまで十日くらいかかる。それまでは消毒するのも含めて何にも手当てできない」と首をふります。

 農協職員の男性は「二十一日の農協の調査によるとレタスの収量は昨年比45%。この先どれだけとれるか見通しが立たない」。農協役員の男性は「日本でとれないのを理由に輸入野菜が入ってくるのがこわい」といいます。

 青森の市場の男性職員は「ここ数年、異常な安値で何百トンも白菜や大根が廃棄処分になったから、今年は作付け自体、減っている。九州、四国も被害がじん大で代替産地もないから日本中から野菜が姿を消すことになりかねない」と話します。

 白菜、キャベツを二ヘクタール栽培している鈴木次則さん(47)は「収穫は去年の半分くらいでは。値上がりしたとしても、出荷するのがあればいいけど。どんだけ病気が出るか、これからの天候しだい」とため息をつきました。

 茨城県西農民センターの初見安男事務局長(56)は「これから収穫する白菜は成長障害で結球しないものも半分くらいでは。農家は売るもんがないからお金にならない。補助金もないから本当に厳しい。農業を守るためには政治を変えないと」と話していました。



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