2004年10月21日(木)「しんぶん赤旗」
大型で強い台風23号は、二十日午後、高知県土佐清水市付近に上陸後、四国南部海岸を進み、同日夜、大阪府泉佐野市付近に再上陸しました。
この台風で、愛媛県宇和島市で自宅の裏山が崩れ、生き埋めになった二十四歳の女性が死亡するなど十五府県で十八人が死亡、二十五人が行方不明となるなど各地で大きな被害が相次ぎました。
高知県室戸市室戸岬町高浜の市営西高浜団地では、高波が押し寄せ、七世帯が入る長屋二軒が半壊、一軒が一部損壊しました。倒壊した住宅の下敷きになったり、波でおぼれたりするなどして三人が死亡、女性二人が負傷しました。
現場は室戸市役所から約二キロ離れた海沿いの住宅街。団地の先の堤防が、強い波で幅二十五メートル、高さ一・八メートルにわたって崩壊しており、コンクリートの塊と大量の海水が団地に押し寄せたとみられます。
交通機関も、東海道新幹線が全線で一時不通となったのをはじめ、飛行機は国内線で九百十八便が欠航するなど大きく乱れました。
今年上陸した台風はこれで十個となり、観測史上最多記録を更新。今月だけでも二個目となります。
この台風で高知県室戸岬では午後二時二十分、最大瞬間風速五九メートルの暴風を記録するなど、各地でこれまでの最高記録を更新しました。
台風は強い勢力を保ったまま列島縦断のコースをとっており、関東甲信越地方を通って二十一日朝には東の海上に抜け、午後にも温帯低気圧になる見込みです。