日本共産党

2004年10月21日(木)「しんぶん赤旗」

国民の安全よりイラク出撃

“25メートルプール(米軍ヘリ)降ってきた”

異常な基地国家 市田書記局長が追及

参院予算委

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 「二十五メートルプール(の大きさのヘリ)が空から降ってきた。ちょうどこの委員会室と同じ大きさだ」―日本共産党の市田忠義書記局長は二十日の参院予算委員会で、八月十三日に沖縄県宜野湾市で起きた米軍ヘリ墜落事故の衝撃をこう語り、世界でも異常な日本の「米軍基地国家」から脱却すべきだと小泉純一郎首相に迫りました。


首相、事故報告書も読んでいなかった

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米軍基地とヘリ事故問題で 追及する市田忠義書記局長 =20日、参院予算委

 市田氏は、米軍の事故調査報告書が事故原因をずさんな整備にあったと結論付けていることを指摘。「整備部門は八月十日以来、十二時間労働体制という突貫体制だった」ことを紹介し、なぜ突貫作業が必要だったのかただしました。

 小泉首相は「詳しくは聞いていない」と答弁しました。市田氏は「これだけ重大な事故なのに、報告書も読んでいないのか」と批判。報告書が「十四日にはどんなことがあっても強襲揚陸艦エセックスにヘリを飛ばすためだった」とイラク出撃準備だったことを認めていることをあげ、「そんなことも分からないままで、事故調査報告を受け入れたのは問題だ」と追及しました。

 事故からわずか九日後に同型のヘリ六機がイラクに出撃したことに、「ひどい話だ。イラクへの出撃を国民の安全より優先させたということだ。許しがたいとは思わないか」と迫る市田氏。首相は「論理の飛躍だ」などとのべるだけでした。

 市田氏は沖縄の地元紙が「戦時を前提に行動している組織と…県民とは、どう考えても共存できない」と書いていることをあげ、どう考えるかと迫りました。首相は「その通りだ」とのべ、共存できないことを認めながら、「事故を起こさない努力をするよう申し入れている。そのなかで沖縄の負担軽減を考える」と答えるのが精いっぱい。市田氏は「“安全対策”と何度繰り返してきたのか。基地の撤去すらいえない。なさけない態度だ」と批判しました。

 そのうえで、米軍が駐留する二十五カ国のなかで、日本の駐留経費負担が他の二十四カ国の合計の一・六倍にのぼることを紹介し、「あまりにも気前がよすぎる。占領時そのままの地位協定があり、唯々諾々(いいだくだく)と従っている。だからいつまでたっても米軍基地は減らない」と告発。「二十一世紀に基地も安保条約もない独立・平和の日本をつくることこそ未来がある」と強調しました。



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