2004年10月19日(火)「しんぶん赤旗」
岐阜市椿洞の山中に五十六万立方メートルを超す産業廃棄物などが不法投棄された事件で、岐阜県警生活保安課などは十八日、廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで、産廃処理会社「善商」の実質的オーナーで会社社長疋田優容疑者(62)や、善商社長為重美紀容疑者(55)ら七人を逮捕しました。
二人のほか、逮捕されたのは廃棄物を持ち込んでいた産廃収集運搬会社「ニッカン」の実質的オーナー亀井義久容疑者(51)ら。
同課などは善商の関係先なども捜索しました。
調べによると、疋田容疑者らは三月十日、廃プラスチックや木くずなどの廃棄物を善商敷地内に不法投棄した疑い。
善商は一九九七年ごろから、解体業者らから建築廃材などを通常の三分の一程度の料金で引き受け、敷地内外の山林に不法投棄したとみられます。廃棄物は上に土を敷き、外から見えないよう覆われ、投棄量は香川県・豊島(約五十六万立方メートル)を超え、青森・岩手県境(約八十八万立方メートル)に次ぐ国内最大規模の約五十六万七千立方メートルに上ります。
今年三月の県警の家宅捜索を受け、岐阜市は四月、中間処理など善商の許可をすべて取り消しました。
日本共産党岐阜市議団幹事長・大須賀しずか議員の話
私たちは四年前に地域からの苦情を受け現場調査をし、岐阜市に対し「善商」への指導・監督を徹底するよう求めてきた。善商だけでなく廃棄物を持ち込んだ業者も含めての逮捕に至ったが、遅きに失した感がある。一部報道では、不法投棄を隠ぺいするため現職の岐阜市議が関与した疑惑が指摘されており、全容解明に全力をあげたい。