2004年10月17日(日)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】パレスチナ自治区ガザにたいし二週間以上にわたって激しい攻撃をおこなっているイスラエル軍は十五日も、ガザ北部ジャバリヤ難民キャンプにたいし戦車からの砲撃や空からのミサイル攻撃をおこない、六十五歳の女性などパレスチナ人四人を殺害しました。イスラエル軍が九月二十八日にガザへの大規模侵攻を開始して以降のパレスチナ人死者は少なくとも百二十八人に上っています。
イスラエル軍は十五日のジャバリヤ難民キャンプ攻撃後、同地中心部からイスラエル境界まで戦車など部隊を移動させました。シャロン・イスラエル首相による指示とされますが、カタールの衛星テレビ・アルジャジーラによれば、ジャバリヤ郊外や近郊のベイトラヒヤなどには十五日夜もイスラエル軍が駐留をつづけています。
イスラエルのボイム国防次官は同日、部隊移動の理由として「武装勢力によるロケット弾攻撃はかなり減っている」と指摘、大規模軍事攻撃の「成果」を強調しましたが、同時に「作戦終了が決定されたわけではない」とも言明しました。
一方、イスラエル軍は十五日、今月五日にガザ南部ラファで発生したイスラエル軍による十三歳のパレスチナ人少女銃殺事件に関し、当事者の軍司令官にたいする第一次調査結果を公表しました。調査結果は、「兵士を指揮する上での誤り」があり停職を命じたとしながらも、「非道徳的な行為は判明しなかった」とし、事実上、司令官を免罪するものとなりました。
この事件に関しては、複数のイスラエル軍兵士がマスコミにたいし、同司令官がパレスチナ人少女に至近距離から十数発の銃弾を乱射し死に至らしめたと証言。広範な国民から軍のモラルの崩壊を指摘する声があがるなど政府と軍を揺るがす大問題となっています。