日本共産党

2004年10月17日(日)「しんぶん赤旗」

ファルージャ

米軍が大規模攻撃

高まる宗派超えた非難


 【カイロ=小泉大介】イラク多国籍軍を主導する米軍はイラク中部ファルージャにたいし十五日も、イラク治安部隊とあわせ千人以上の兵力を投入し前日夜からの波状攻撃を続行しました。現地からの報道によれば、米軍はファルージャ周辺の道路を封鎖しているもようで、住民の間では、米軍による総攻撃開始への不安がかつてなく高まっています。

 一方、十五日の攻撃はイスラム教徒にとって最も神聖なラマダン(断食月)の開始と重なったこともあり、イラクでは宗派を超えた批判が広がっています。

 イラクのイスラム教スンニ派有力組織、イスラム聖職者協会は十五日、声明を発表し、同国の各政党にたいし、ファルージャなどでの米軍の攻撃に抗議し、政府への参加をやめるよう要求しました。

 ファルージャの宗教指導者も同日、共同声明を発表し、バグダッドなどイラク各地の集団礼拝で読み上げられました。同声明は、米軍の武力にたいするイラク全土での民間の抵抗を訴えるとともに、テロ首謀者として米軍がファルージャ攻撃の理由にあげているザルカウィ氏の存在に関し、「米軍のいい分は女性や子どもの殺害を正当化するための口実にすぎず、大量破壊兵器と同じウソである」と非難しました。

 米軍の攻撃激化への懸念と非難の広がりは人口の六割を占めるシーア派教徒の間でも同様で、同派最高権威のシスタニ師は十五日、代理人を通じ、問題を交渉によって解決するように訴えるとともに、ラマダン最中の軍事攻撃はあってはならないとのべました。

 シーア派聖地カルバラの宗教指導者サフィ師は同日、集団礼拝の説教で「ファルージャ攻撃は集団処罰である」「これ以上の殺りくはあってはならない」と強調しました。



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