日本共産党

2004年10月17日(日)「しんぶん赤旗」

解説

森全体が保護対象

池子米軍住宅受け入れ撤回を


 一九八二年に米軍住宅建設計画がもちあがったとき、逗子市では「池子の森を守れ」と市民ぐるみで反対しました。

 そのため、防衛施設庁は池子の森全体についての環境影響調査を実施。神奈川県も、横浜防衛施設局の提出した「環境影響予測評価書」を審査したさい、「数百ヘクタールにわたるまとまりのある森林地域は、県西、県北の山岳部を除いては、三浦半島に見られる程度で、首都圏の海岸部という広い範囲で見ても極めて少なく、この面からも池子の提供用地の緑は相対的に価値が高くなっている」、「(住宅建設後)残存する二百十ヘクタールの将来的な環境保全策は、事業地の環境保全とともに重要な意味を持ってくる」とのべて、池子の森全体の自然保護の立場を鮮明にしていました。

 池子の森の全体を守ることになっていたのに、国が横浜市分は別だといって、新しく米軍住宅を建設することは経過からみても許されません。松沢成文神奈川県知事が、県民に表明してきた立場をなげすて、横浜市長の米軍住宅建設容認を後押しするのは背信行為です。

 中田横浜市長が受け入れを容認しても、横浜市民の圧倒的多数は池子の森全体の自然を守れという立場を表明しています。横浜の「米軍住宅増設をやめさせ基地返還と池子の森を守る会」(代表・安田八十五関東学院大学教授)が九月におこなった横浜市分地域隣接住民にたいするアンケート調査では、回答した八百五十人の82・6%が建設に反対し、「自然環境破壊」を主な反対理由にあげています。

 住宅建設のかわりに、米軍が使っていた上瀬谷、深谷の両通信施設、富岡倉庫地区が返還されるとされていますが、もともと、必要のない施設は、米軍地位協定で無条件返還が義務付けられています。新たな米軍住宅建設が基地の永久化につながることからも、市民の反対は当然であり、政府と中田市長がかわした受け入れ合意は撤回すべきです。

 山崎静雄記者



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