日本共産党

2004年10月10日(日)「しんぶん赤旗」

米大統領選で第2回討論

ブッシュ氏 大量破壊兵器で居直り

ケリー氏 イラク侵攻の誤り強調


 【ワシントン=浜谷浩司】米大統領選挙を争うブッシュ大統領と民主党のケリー候補による第二回テレビ討論が八日、ミズーリ州セントルイスのワシントン大学で行われ、会場からの質問に答える形で、イラク戦争や内政問題で激しいやりとりが交わされました。

イラク侵攻を正当化できるか

 開戦前イラクには大量破壊兵器もその計画もなかったという米調査団報告を受け、ケリー候補はイラク侵攻の誤りを重ねて強調。ブッシュ大統領は戦争をあくまで正しいと防戦しました。

 「イラク侵攻を正当化できるか」との問いに対しブッシュ氏は、「フセイン(イラク元大統領)は兵器をテロリストに渡しかねなかった」とした上で「制裁は効かず、国連はフセイン除去に有効でなかった」と失言しました。

 ケリー氏は、「制裁の目的はフセイン除去ではなく大量破壊兵器の除去だった」と直ちに反論。米調査団報告も査察が機能していたことを認めていると述べました。

 イラク侵攻で他国との関係が悪化したとの意見に対してブッシュ氏は、「不人気は分かっているが、米国の安全のためだ」と回答。「偉大な国」である「米国の価値観」を貫くためには、イスラエル擁護や国際刑事裁判所不参加など国際的に「不人気」な政策を継続すると開き直りました。

 地球温暖化防止京都議定書についてもブッシュ氏は、米経済に悪影響を与えるとの主張を繰り返しました。ケリー候補は、議定書には「欠陥がある」としながらも、「それを正さず放棄した」と大統領を批判しました。

大企業優遇の減税政策を非難

 内政では、ブッシュ大統領がケリー候補の政策は増税路線だと決めつけたのに対し、ケリー候補はこれを否定。「戦争しながら減税した大統領は初めて」だとし、ブッシュ政権の金持ち・大企業優遇の減税政策を非難しました。また「過去七十二年間で初めて雇用を喪失させた大統領」だと批判しました。

 イランや北朝鮮の核問題、医療、財政赤字、雇用、環境、国内でのテロ対策、最高裁人事、人工妊娠中絶などのテーマでも議論が交わされ、両者の政策の違いが示されました。十三日の最後のテレビ討論は、内政問題をとりあげる予定です。

 討論後のCNN、ABCテレビの世論調査では、ケリー氏が2―3ポイント差で優勢という結果が出ました。第一回討論で大統領としての資質をアピールし、波に乗るケリー氏が勢いを維持しました。



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