日本共産党

2004年10月4日(月)「しんぶん赤旗」

嘉手納基地

米が空自共同使用提案

いっそうの一体化狙う


 米政府が在日米軍の再編問題で、米空軍嘉手納基地(沖縄県)を航空自衛隊と共同使用する構想を提案していることが、三日までに分かりました。米側は、那覇基地に配備されている空自のF4戦闘機を、機動力を高めたF15戦闘機に変更し、嘉手納基地への移駐を求めています。

 在日米軍の再編は、ブッシュ米政権が地球規模で進める米軍事態勢見直しの一環。態勢見直しでは「同盟の役割拡大」=米軍事作戦へのいっそうの動員が主要な柱に位置付けられており、嘉手納基地の共同使用もその具体案の一つです。

 在日米空軍の再編では、嘉手納基地のほか、横田基地(東京都)を日米が共同使用する構想がすでに明らかになっています。具体的には、横田基地にある第五空軍司令部とグアムの第一三空軍司令部を統合し、空自の戦闘機部隊を統括する航空総隊司令部を横田基地に移転する案です。

 米太平洋空軍のへスター司令官は九月二十六日、横田基地の再編構想に触れた中で、すでに米空軍と空自などが共同使用している三沢基地(青森県)を「統合使用の主要なモデル」「日米がともに働くモデル」と述べています(米軍準機関紙「星条旗」電子版九月二十九日付)。

 嘉手納・横田両基地の日米共同使用は、三沢基地をモデルに米空軍と空自の一体化をいっそう広げ、深めることを狙った動きです。

 嘉手納基地の共同使用にかかわって、米側は沖縄・先島諸島にある下地島空港(下地島)を米軍と自衛隊の補助飛行場に位置付けることも提案。防衛庁は、米側の提案に呼応し、新「防衛計画の大綱」の策定作業を進めている「防衛力の在り方検討会議」の結論に、那覇基地所属のF4戦闘機部隊のF15戦闘機部隊への変更のほか、下地島への戦闘機の移駐を明記したとも報じられています。

 これに対し嘉手納基地を抱える嘉手納町の町議会はすでに、「日米共同使用に断固反対」とする意見書を全会一致で可決(九月二十四日)しています。下地島空港のある伊良部町も「下地島空港の軍事利用に反対」の立場。同月二十五日に開かれた宮古郡民大会は「航空自衛隊、陸上自衛隊、米軍を問わず如何なる部隊・軍事施設の移転、配属も行わないこと」を求める決議を採択しています。



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