日本共産党

2004年10月2日(土)「しんぶん赤旗」

米大統領選

イラク問題でTV舌戦

戦争は大統領が判断誤る ケリー氏

占領で米と世界は安全に ブッシュ氏


 【ワシントン=遠藤誠二】十一月二日の米大統領選挙に立候補している現職のブッシュ共和党候補とケリー民主党候補による第一回テレビ討論会が三十日、フロリダ州コーラルゲーブルにあるマイアミ大学で行われました。議題を外交・安全保障問題に絞った一時間半にわたる討論では、最大の争点であるイラク戦争が舌戦の大半を占め、「大統領は途方もない判断の誤りを犯した」と批判するケリー氏と戦争を正当化するブッシュ氏との立場の違いが鮮明になりました。

 ブッシュ大統領は、「同時多発テロ後、われわれは脅威を認識し、その脅威が現実になる前に手段を講じなければならなかった。サダム・フセイン(元イラク大統領)は刑務所におり、米国と世界はより安全になった」と述べ、イラク戦争・占領を正当化しました。

 これに対してケリー候補は、「同時多発テロとフセインは関係なかった。戦争の理由は大量破壊兵器だった。フセインを取り除くことではなかった」と述べ、ブッシュ政権の主張の矛盾を列挙。イラクをめぐって同盟国間の関係も分断されたと指摘し、「計画もないまま戦争を急いだ」と断罪しました。自身が大統領になったら、イラクをめぐる「同盟国首脳会議」を開催し事態の収拾に乗り出すと訴えました。

 こうした批判に対し、ブッシュ大統領は、「われわれは(イラク問題で)前進している」と弁明。「(イラク問題でケリー候補が)姿勢を変えることを懸念している。(その時々で)立場を変えるのは米軍最高司令官としてすることではない」と述べ、ケリー候補の言動がぶれたことをとりあげて反撃しました。

 イラク戦争が別の先制攻撃の可能性を強めたかとの司会者の質問にブッシュ大統領は、「(先制攻撃を)希望したことはなかった。しかし敵はわれわれを攻撃した」と発言。すかさずケリー候補は、「フセインはわれわれ(米国)を攻撃していない」とブッシュ氏の失言を指摘しました。

 イランや北朝鮮の核開発問題をめぐっては、ケリー候補が、ブッシュ政権はイラク戦争にかまけて何もしてこなかったと非難。北朝鮮については、核開発問題をふくめ米朝間の包括的二国間協議を開始することを主張しました。

 最大の脅威は何かとの質問に対しケリー候補は、「核兵器の拡散」としたうえで、「地中貫通核兵器など米国は新型核兵器をいくつか開発しているが、核兵器を持つなと他国にいいながら自分はそれを開発するといっている。ばかげている」と語り、開発の中止を主張しました。



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