日本共産党

2004年10月2日(土)「しんぶん赤旗」

小泉人事に不満噴出 なぜ?

森前首相も異例の批判


 小泉純一郎首相の内閣改造人事に、自民党各派閥から不満の声が噴出しています。


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内閣改造後、認証式に向かう小泉純一郎首相=27日午後、首相官邸

 首相の“おひざ元”森派では、九月三十日の総会で森喜朗前首相が異例の首相批判をまくしたてました。「一人で全部やるなら初めからわたしと会わなきゃいい」「(首相は)いろいろ聞いて『考えておく』と言いながら返事がない。そんなことでは世の中通らない」

ありがた迷惑だ

 怒りの矛先は小泉首相が森氏の助言を聞き入れなかったことに。森派から五人入閣したことも、「ありがた迷惑だ。だれが五人もくれと言ったのか」とやつ当たり気味でした。

 首相批判を続けてきた亀井派会長の亀井静香元政調会長も、「国民の不安をぱっと打ち払う人事にならなかった。自民党を挙げて首相がやろうとすることに協力していける状況になっていない」(九月二十九日)。三役ポストを失うなど“冷遇”された堀内派の堀内光雄前総務会長も、「われわれは構造改革に協力することは惜しまないが、しばらく政府の対応を見守っていきたい」(九月三十日)と距離をおく構えです。

“対決”姿勢すら

 いまのところ、各派閥の不満は首相の人事に向かって出ています。しかし、底流には郵政民営化、「三位一体」改革などへの対応があります。国民の反発が強く、さすがに自民党内でも批判が根強い小泉「改革」への不満が噴出しはじめています。森氏は、九月二十九日にも、首相が掲げる「三位一体」改革の義務教育費国庫負担金削減について、「これだけは承服しない。政治家として命がけで反対する」と、首相との“対決”姿勢すら示しました。

 森氏とともに小泉首相を支えてきた旧橋本派の青木幹雄参院議員会長は沈黙を守っています。青木氏は、郵政民営化に反対する議員と小泉首相との会合を設けたものの、首相が会合前日の九月十日に民営化の基本方針を閣議決定し、会合はキャンセル。青木氏からしてみれば“恥をかかされた”経過があります。

 小泉首相にたいする自民党内の不満が、内閣との政策“対立”の芽も含んでいるだけに、首相の政権運営の先行きには改造早々、不透明さが増しています。

 (小)



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