日本共産党

2004年9月27日(月)「しんぶん赤旗」

公園ウオッチング

ビフォアー(調査前) アフター(調査後)

子どもの元気な声聞こえる場へ


 今年に入り、大阪府高槻市で公園遊具で遊んでいた子どもが指先を切断するなど、公園遊具による事故が相次ぎました。全国各地の新日本婦人の会や日本共産党はこの間、公園遊具の安全性の総点検を行い、行政に対応を求めて改善を実現させています。東京・立川市と大阪・八尾市での公園ウオッチングの取り組みを紹介します。

市職員からも感謝の声

お年寄りの憩える場めざして

新婦人八尾支部 大阪

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 三年前、八尾市で「魔の横断歩道」とよばれている歩道で知人が交通事故にあったのが、私たち新婦人八尾支部の「優しい町づくり」をめざすウオッチングの出発点でした。二年前、ウオッチングの最中に別の場所ですが、とうとう死亡事故(トラックと自転車が接触)が起こり、それが私の友人だっただけに本当にショックでした。市との話し合いでも信号機の改善だけは何とかという思いでいっぱいでした(その後、改善が実現しました)。

 公園も一歩間違うと危険な場所になりかねません。私たちは、年寄りの憩いの場という視点も入れて見回りました。

 この七月、新婦人長池班は、改めて市内三カ所の公園をウオッチングし、その結果を市に持って行きました。市役所のみどり室は二年前より丁寧な対応で、「私たちが見なければいけない所を見てくれて感謝しております」と述べました。翌日、公園の視察に回っている職員さんに会い、熱意を感じました。

 九月、公園ウオッチングの成果を見て回りました。水たまりの多かった地面は砂が入って解消。トイレの破損は修理され、清掃もきちんとされていました。公衆電話の故障やドアの破損は修理され、抜けていた鉄棒のボルトは付けられていました。ブランコのさびはきれいに落とされ、シーソーの地面との接触部分のゴムは新しくなっていました。時計は見やすいように周囲の木の枝がせん定されていました。

 要求の大部分は改善されていて感激。やっぱり目と目を合わせて話をすると、市の職員の方も応えてくれると実感しました。

 しかし、それを妨げているのは予算なんだなと痛感したのは、府営公園の水道設置問題です。

 府営住宅の中の公園は水道がない八尾北で唯一の公園です。金網で仕切られた隣の運動用の公園には水道があるのに、ほんの一メートル先の金網のこちら側には水道がない。一メートル延ばして水道を造る予算がないのでしょうか。「水道料金は町会もち、町会の理解を得てください」という大阪府の回答に八尾のおばちゃんたちは頭にきました。

 私たち新婦人長池班は、ゆっくりだけどあきらめず、一人の力は小さいからいつも仲間と手を組んでをモットーに、府相手に水道を引くようにがんばります。フジ棚の下の休憩所で、安全な遊具で楽しく遊んでいる子どもたちを見たり、友と語らったりできる憩える公園を夢見て。

 新婦人八尾支部長池班・田中義子

市内全239公園を調べて

危険な遊具改善へ緊急提案

立川市の党支部、議員 東京

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 今年五月ごろから、女性のみなさんと懇談する中で、「遊具による事故が起きているが、立川市の公園は大丈夫か」ということが話題となり、みんなで市内の公園を調べようということになりました。

 調査は、公園がきれいかどうか、遊具などが壊れていないかどうか、トイレや水飲み場があるかどうかなど十項目としました。市で管理している公園は大小合わせて二百三十九カ所もありますが、すべて調査しようということになりました。

 猛暑の中、七月二十四日から八月二十八日までに十五回、私の事務所の女性プロジェクトチームや女性後援会員、党立川市議団ら延べ三十五人が参加して調べました。

 調査の途中で、壊れている危険な遊具があることが分かりました。調査が全部終わるのを待たずに緊急に改善を市に要請すべきだということになり、転落防止網が外れてなくなっている箱型ブランコの修理など五項目を八月十三日に申し入れました。市側も直ちに防止網を設置しました。

 調査に参加したみなさんからは「公園はきたないというイメージがあったが、ごみが少なかったことは意外だった」「トイレもきれいで、どこにもトイレットペーパーがきちんと置かれていて感心した」などの感想がありました。

 これは、公園清掃やトイレの管理などを自治会や地域の方に協力をお願いしていることが良い結果として表れているのではないかと、申し入れのとき、市から説明がありました。

 調査を通して、改善すべき点として、壊れた遊具や危険な場所の改善とともに▽公園の入り口に段差があること▽フジ棚があるのにフジの木が植えてないこと▽枯れた木が植え替えてないこと―などが出されました。

 立川市は植木の産地で、造園業者もいて、公園の緑を増やしていくことは、地元の産業振興にもつながるのではないか、との意見もありました。

 これらの要望・意見をまとめて九月七日に、水飲み場やベンチの修理など四十八カ所について具体的な改善要望を出しました。

 応対した青木久市長は「(市内公園)全部の調査は大変だ」と感想を述べ、「現地を確認して対応します」と積極的な姿勢を見せました。

 これからも市民が安心して遊べる公園にするためにいろいろな取り組みを進めていきたいと考えています。 浅川修一前都議



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