日本共産党

2004年9月25日(土)「しんぶん赤旗」

ANK機とP3Cニアミス

海自機横切りが原因

事故調報告書 防衛庁に初の警告


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エアニッポン(ANK)機(上)の上空を横切ってニアミスをおこした海上自衛隊のP3C哨戒機(下)=航空事故調査委員会の「事故調査報告書」から

 昨年十月七日、羽田発八丈島行きエアーニッポン(ANK)機821便(乗客・乗員六十二人)と海上自衛隊のP3C哨戒機(乗員九人)が、八丈島空港近くの上空で異常接近(ニアミス)した問題で、国土交通省・航空鉄道事故調査委員会(事故調)は二十四日、原因を自衛隊機の前方横切りにあったとする「事故調査報告書」をまとめました。

 事故調は、航空法施行規則第一八三条をもとに「着陸体勢にある航空機が進路権を有することから、防衛庁は自衛隊機の乗員に対して進入の妨げにならない空域で待機するなど適切な方策を講じる必要があり、周知して再発を防止することが必要である」との所見を明らかにしました。

 民間機と自衛隊機による接近やニアミスはたくさんありますが、防衛庁に対する事故調の事実上の警告は初めてです。

 ANK機は八丈島空港への着陸降下中、同空港から西南西十四キロ、高度三百メートルの海上上空で航空機衝突防止装置(TCAS)が作動。このため、ANK機は上昇して回避。この回避中に左側から進路を横切るように飛行してきたP3C哨戒機の上空を通過しました。接近時の高度差は約八十メートルでした。

 当時は積乱雲の影響で視界は不良でした。しかし、報告書はP3CがANK機に接近する直前、ANK機が空港への着陸体勢に入っているとする無線情報を入手していたと指摘。「極度な危険性はなかったものの、衝突、接触の可能性もあったと考えられる。航空機の進路権についての認識が不十分」と批判しています。

 航空法施行規則一八三条 着陸のため最終進入の経路にある航空機および着陸操作を行っている航空機は、飛行中の航空機、地上または水上において運航中の航空機に対して進路権を有する




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