日本共産党

2004年9月22日(水)「しんぶん赤旗」

国際法支配が危機に

アナン事務総長が米を批判

国連総会演説


 【ニューヨーク=遠藤誠二】国連総会一般討論が二十一日午前(日本時間同日夜)ニューヨークの国連本部で始まり、冒頭に演説したアナン国連事務総長は「世界中で(国際)法の支配が危機にひんしている」と主張しました。アナン氏は、国際法の枠組みが「あまりにも選択的に適用され、恣意(しい)的に執行されている」とし、単独行動主義で国際法秩序を破壊するブッシュ米政権を暗に批判しました。

 アナン氏に続き、ブッシュ米大統領、ルラ・ブラジル大統領などが演説します。

 アナン氏は、安全保障理事会について、「必ずしも公正、効率的に利用されていないと多数が感じている」と述べ、自国に有利な場合だけ安保理を利用する米国などの姿勢を批判しました。

 イラク情勢に関しては、援助活動家やジャーナリストらが「人質にされ最も野蛮な仕方で処刑されている」一方で、「イラク人囚人が虐待されてきた」と指摘。スーダンの住民迫害やロシア南部・北オセチアでの学校占拠事件などに触れ、国際法が「恥ずかしげもなく無視されている」と告発しました。

 また、「中東、イラク、世界中で、長期化する紛争を解決する最善の土台は、安保理決議を含む」国際法だと強調。「世界中の暴力と不正義の犠牲者は、彼らを守るべき法が適用されなければ、それを見過ごさない」とし、国際法秩序の擁護を各国に呼びかけました。

 アナン氏は十五日の英BBC放送とのインタビューで、安保理の承認なしに米国主導で強行されたイラク戦争は「国連憲章に照らして違法だ」と批判していました。



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